2005年12月09日発行915号

【一人一人の思い込め訴える 奮闘する鉄建公団訴訟原告団】

 寒風をはねのけ、鉄建公団訴訟原告団の奮闘が続いている。9月15日の東京地裁判決を受け、10月23日から11月22日まで東京・新橋の鉄建公団(現・鉄道運輸機構)入居ビル前で第1波の座り込み闘争を展開。11月24日からは第2波をスタートさせ、暮れも押し迫る12月22日まで座り込む。

訴えに立つ原田亘さん(東京)
写真:街頭でマイクを持ってアピール

 「攻め上がってきたのは7人だけだが、不当労働行為の犯人を目の前にして全員の意気は上がった」。第2波スタートの翌11月25日、第1波に続き団長を務める原田亘さん(鳥栖闘争団)は言葉を弾ませた。

 座り込む原告は北海道5人、九州2人。毎日配布するビラの原稿は交代で書く。道行く人への訴えにも一人一人の思いが込もる。

 ビラ配布は毎朝、国土交通省前から始まる。枚数は約1000枚。「国交省では手応えを感じている。今まで出てきたことのなかった管理者4人が退去命令を出しにきた。私たちの行動を意識しているからに違いない。今はビラを決まって受け取る人もいて、それだけ読んでもらっていると思う」。原田さんは政府に対する責任追及の声が高まることを期待する。

 見ず知らぬ人から「頑張れよ」「もらったビラをJRの窓に貼って来た」などの声も寄せられ、原田さんは「昨日は8000円を超えるカンパが集まった。座り込み初日に続く2番目の多さだ。行き交う人も関心を寄せている」と喜ぶ。

支援者も座り込み

 事務局長の前北富雄さん(北見闘争団)も連日のビラ配布に参加している。「国鉄闘争が忘れられようとしているが、今も公務員合理化問題など多くの労働者が痛みを強いられている。そうした人たちの間に座り込みへの共感が広がっている」と手応えを語る。

 原田さんら原告の励みになるのは、支援者がともに座り込むこと。この日は、JR東日本の国労組合員はじめ約15人が駆けつけた。垂脇道男さんは04年11月に提訴された鉄道運輸機構訴訟の原告。「鹿児島では6人が2次訴訟に立ち上がった。12月4日には鹿児島で9・15判決やJR西日本の尼崎事故をテーマに大集会を予定し、9・15判決以上の内容を勝ち取るため原告団への参加を呼びかけている」とアピールを寄せ、座り込んだ。

 続いて、原告が相次いで発言に立ち、鉄建公団に対し解決交渉の窓口を開くように強く求めた。国鉄分割民営化の根拠の一つとされた赤字問題のうそを暴き、解雇撤回を訴えたのは深川闘争団の瀬古勝利さん。「9・15判決で流れは変わった。このチャンスを大事にして押し込んでいく」。原告たちの意気は高い。ともに座り込む支援がますます重要になっている。

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