2005年12月09日発行915号

【「国民保護計画」の対案はこれしかない 署名が示した無防備条例への期待 軍備で文化財は守れない 京都市署名は4万筆へ】

 京都市での無防備都市条例制定のための直接請求署名運動は11月28日に終了。署名数は法定数(約2万3千筆)を大きく超え、4万に近づいている。

三条河原町にも署名スポット(11月28日)
写真:街頭で署名をする人々

 最終日は三条河原町の署名スポットや市役所前でのカウントダウン集会、その後の交流会まで次々と受任者から署名簿が持ち寄られた。1日の獲得署名は約4千で、合計3万5824筆にまで到達した。

 受任者の中には、多くの戦争体験者が加わっていた。口々に「この運動にかかわれて、よかった」との感想が出された。「病気を隠して今日までやってきた。当初は自信がなかったが、3万5千の署名の数に心の底から感激している。この運動を通して連帯の尊さを感じた」「『孫の世代のために』の呼びかけに、戻ってきて署名をしてくれた人がいた。平和のためにも自分にとってもいい経験だった」

 大学生の請求代表者・佐藤大さんが応える。「戦争体験者がいかに平和やこの条例を望んでいるかが分かった。こういう運動を待っていたという声も聞いた。戦争を知らない私たちの世代がどう考えるのかが問われたのだと思う。いい体験をした」

条例実現へのスタート

 京都市民の会にとって、署名の終了は市議会での条例実現の取り組みのスタートだ。

カウントダウン集会であいさつする澤野義一代表(11月28日・京都
写真:夜のカウントダウン集会でアピールする澤野代表

 市民の会代表で請求代表者の澤野義一大阪経済法科大学教授は「国民保護計画が進められる中で、この運動の意義は大きい。次の議会に向けて、無防備地域宣言の持つ意義をアピールすることに力点を置きたい」と語る。同じく請求代表者の服部待さんも「米軍再編問題で各地の自治体が反発している。戦争を止めるのは、武力ではできない。非武装の取り組みこそが必要だ」と訴える。

 呼びかけ人の山内敏弘龍谷大学教授も「京都の特色は、至るところに文化財があること。全世界の人々の文化財でもある。これは軍備では守られようもない。無防備でしかできない。議会論議で突破してほしい。バックアップしたい」と述べた。

 署名簿は12月5日に選管に提出され、議会審議は1月になる見通し。

 「無防備条例は国民保護計画の対案であることを明確にしたい。議会開催前に文化財保護のシンポジウムを開きたい」と石田哲夫事務局長がまとめた。

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