2005年12月30日発行918号

【「委託化阻止」へ連続行動 大阪市の公立保育所民営化と闘う父母】 

 「待機児童の解消」を名目に公立保育所民営化に走る大阪市。子どもたちの保育環境の切り捨ては許さない。「委託化阻止」に立ち上がった東成・子どもの人権を守る会と父母たちの連続行動は、強行をめざす大阪市のシナリオをつまづかせている。


市役所前で抗議行動(11月29日)
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 会では、11月から地元小学校区2千世帯への署名用紙配布に取り組んだ。その署名が毎日返送されてくる。なかには署名用紙をコピーして150人分を集めた女性も。「地域にこんなに根強い関心があるなんて」と喜びの声が広がった。

 続いて「市民の声200通作戦」を展開。市民局公聴相談課に回答を迫る行動だ。

 また東成区内の各市立保育所前でも呼びかけに立った。市立保育所に通わせる親たちは共通の思い。署名依頼に「ハイ、わかりました」という返事が相次いだ。

保育士交代を強行

 11月29日には、市役所前で2回目の抗議行動。守る会、なかまユニオン組合員の共同行動となった。横断幕やプラカードを掲げ、「保育所委託化に反対してください」「赤字のしわ寄せを子どもたちにまわさないで」とお母さんたちがマイクで呼びかける。

 この日は市長選挙の翌日にあたる。最低の支持率で関市政が継続したことで、市民から「悪いのは関市長だ。こんな市政はだめだ」と共感の声が寄せられた。

 大阪市当局は委託のための工事は延期したが、計画全体を中止していない。12月12日、委託予定先から引継ぎ要員2名を強行配置し、今までの保育士と交代させた。保護者に何の連絡もなく、子どもたちが何も知らないまま保育士が突然いなくなってしまった。

 保護者会ではただちに大阪市に対して抗議。「新しい2人は保育所に入れさせません。元に戻して」と保育所や健康福祉局に強く迫っている。

 12月14日、877筆の署名とともに提出された陳情を市議会民生福祉委員会が審議。保育所運営指導担当課長は「工事後は入所定員を120名に拡大する‥」となお増員することをにおわせた。関市長は「保育所の再編整備計画をきちっと進めていく」と保育環境の改善や待機児童解消よりも民営化を優先する大阪市の姿勢をあらわにした。

 守る会では来年1月22日に、地元の玉津南公園で保育所委託問題をアピールする「東成・子ども元気まつり」を開催し、反対運動をさらに地元に呼びかける。

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