2008年04月04日発行1029号

【イラク全占領軍即時撤退へ―3・20国際共同行動 イラク占領終結とIFC連帯を】

 対イラク開戦から5年の3月20日、首都圏・関西・広島などでイラク占領軍の即時撤退を求めて集会・デモが展開された。アメリカやイギリスなど世界各地で開かれる反戦平和行動と歩調を合わせ、イラク自由会議(IFC)連帯、軍事費削って貧困なくせを掲げた国際共同行動として取り組まれた。


サナTV視聴者拡大へ

 川崎市平和館で開かれた「イラクに平和を!3.20ピースフェスタ」には、130人が集った。

 集会には、イラクのサミール・アディルIFC議長や米国フレンズ奉仕委員会(AFSC)のジョセフ・ゲインザさんなどからメッセージ(要旨別掲)が寄せられ、占領終結を求める国際共同行動がスタートした。。

各地で地域上映会

 IFC連帯の具体的な活動が、サナテレビを支える視聴会員拡大と自衛隊撤退、無防備地域づくり、軍事費削って貧困なくせの取り組みだ。イラク平和テレビ局inJapan首都圏は「4月20日にフィルムフェスタ2を開く。現在約700人の会員だが、若い人たちにもぜひ見てもらいたい」と訴え。inJapan湘南は「月1回上映会や学習会をやっている。『すばらしい』『多くの人に伝えたい』と会員になってくれた人。チラシを見て『地域の回覧板で回してもいいか』と問い合わせてきた人。この活動が1日も早い撤退につながれば」と報告した。4月以降も大田区・荒川区・目黒区・品川区、藤沢市などでサナテレビ地域上映会が開かれる。

 「自衛隊撤退、軍事費削って貧困なくせの自治体決議を上げるよう、陳情書を3月区議会に提出した」(平和で豊かな荒川を区民みんなでつくる会)「最低賃金1200円を要求して3月28日に厚生労働省と交渉する」(貧困へのオルタナティブ!若者ネットワーク)など、地域・若者の取り組みも紹介された。

 3月27日の無防備条例市議会採決を前にした小田原無防備平和条例をめざす会の林拓摩さんは「無防備運動は歴史の要請だ。小田原から23番目の川崎へ、そして100、200の自治体へと無防備運動を広げていこう」と元気よく呼びかけた。バトンを受けた川崎市では4月26日に直接請求署名をスタートさせる。

集会後は風雨の中、約1キロをデモ行進。繁華街にある平和・無防備条例を実現する川崎の会事務所前では、「川崎に軍隊や基地はいらない」「無防備平和条例をつくろう」とエールを送った。

軍事費削って貧困なくせ―大阪

 大阪城公園教育塔前で開かれた関西の3・20国際共同行動には、約200人が集まった。

 集会では、IFC連帯・イラク占領の終結とともに「軍事費削って貧困なくせ」を求める声が集中した。当事者自身による切実なアピールは参加者の共感を呼んだ。

 京都在住の全盲の視覚障害者は「働きたくても仕事がないんです」とアピール。行政交渉にも取り組んでいることを紹介し、視覚障害者が働ける職場づくりを訴えた。

 兵庫・西宮市の「社会保障解体に反対し、公的保障を実現する会」メンバーとともに登壇したのは、20代の若者。仕事がなくなり、生活保護を申請したところ、役所は「20代なら働けるだろ」と問答無用の対応。「生存権を保障しろ」と弁護士を伴って、ようやく生活保護を認めさせた。

 さらに、介護職場で働く労働者からは「生活できる賃金の保障を国庫負担で行え」の訴え。偽装請負に裁判で闘う原告など、反貧困を闘う当事者の発言が続いた。

 集会の最後は、3・28中央ワンデイアクションへの決意表明だ。

3・28中央ワンデイに

 最低賃金1200円以上を求めている「貧困へのオルタナティブ!若者ネットワーク」のメンバーが、「昨年4月に『1年間はバイトで』の契約で働き出した。仕事は正社員と変わらず、時給はたったの850円。ほんとうに正社員になれるのか、不安でした。それが昨日、次長が『正社員の方向で考える』と。やったぁと思った。こんな不安は私だけではない。若者を大切にしない社会に、未来はない。そんな不安定雇用の制度をつくった国に抗議したい」と、力強く決意表明。貧困に怒る当事者たちが3月28日、首都東京へ攻め上る。

戦争止める次の行動を―広島

 同日、広島市内では「イラク開戦五周年−サナテレビフィルム上映会『戦争を止めるのは誰?』」が開催された。国際共同行動に連帯して、イラク平和テレビ局 in Japan・広島が主催したもの。

 上映会ではまずスタッフが基調提起を行い、治安悪化と女性への暴力がやまないイラク情勢とその下で非暴力の闘いを展開するIFCの前進とサナテレビの役割を確認した。さらに先日来広したフリヤル・アクバルさんの講演会での発言内容を再度学習し参加者で共有した。

 その後サナテレビ配信の「ジャリード地区の人々〜イラク国内難民は訴える」を上映。通常のマスメディアでは伝えられないイラク国内難民の窮状、とりわけ番組終盤の腫瘍に苦しむカイスくんの映像には参加者一同ショックを受けた。次にレイバービートの「戦争を止めるのは誰?」を上映。現在、米大統領選挙報道が加熱する中で、米国反戦運動がイラク撤退を真の争点とするよう民主党に迫っている様子に、参加者からは「戦争を終わらせるために自分たちにも何ができるのだろうか」と次の行動を求める率直な声が出された。

 最後にこの夏の実現を目指しているイラク原爆写真展プロジェクトへの協力をスタッフが呼びかけた。

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS