2010年08月13日発行 1145号

【橋下知事にレッドカード 大阪府庁を「怒」で包囲 府民切り捨て大企業優遇】

 大阪府民を戦争と貧困に追い込む橋下府政に怒りの声をぶつけようと7月30日、「橋下知事 にレッドカードを!ペテン師橋下知事はヤメロ!」行動(主催―7・30大阪ワンデイアクション実行委員会)が取り組まれ、府庁前で約200人が真っ赤な 「怒」のレッドカードを突きつけた。

朝鮮学校無償化を

 橋下知事は、昨年の346名の非正規職員全員解雇に続き、教育・医療・福祉など府民生活切り捨てと大企業優遇施策を次々に打ち出している。反対の声を直 接ぶつけようと府庁前行動が計画された。

 要求項目は7項目。「朝鮮学校の無償化」「私学助成カットの撤回」「エリート高校優遇、一般高校切り捨て反対」「府民の血税330億円をシャープに投入 するな」「人権侵害企業パナソニックへの補助金30億円は不当」「公営カジノ構想・ヤミ金特区設置構想反対」「大開発優先の大阪都構想反対」

 実行委員会は、街頭ビラや大阪環状線行動で行動への賛同・参加を府民に呼びかけた。多くの共感と声援が寄せられた。「金持ちだけの大阪府ではいけない。 朝鮮学校へのイジメもやめてください」とファクスも届けられた。

 府庁前アクションの口火を切ったのは読谷郷友会会長の平安名(へんな)常徳さん。「橋下知事が『米軍基地機能の一部を関西空港に移転を』と発言し、私は びっくりした。沖縄で私が在学していた小学校に米軍機が墜落し、20数名の子どもたちが焼け死んだ。その事件が悪夢のようによみがえってくる。沖縄では米 軍による事件事故が絶えない。知事の仕事は住民の安全を守ることだ。沖縄県民が要らないといっているものは全国でも要らない。私は橋下知事にノーと言う」 とアピールした。

 日本人民委員会の伊関要さんは「橋下知事は民族排外主義を煽り、教育に不当介入している。私たちは橋下知事の暴言を許さず、朝鮮学校への助成金をすぐに 支給することを求め、差別なき無償化適用を求める」と訴え、朝鮮高校無償化・朝鮮学校への補助金支給を求める1万5850筆の署名を提出した。

暴走への抗議広がる

 なかまユニオン教職員支部の松田幹雄さんは「差別・切り捨て方針で教育が大きくゆがめられている。人件費や教育費を削減し、”生き残り”のためとして競 争教育を煽っている」と糾弾。(1)大阪府学力テストの廃止(2)ともに学ぶ教育の推進(3)一部エリート高校優遇策をやめる(4)「日の丸・君が代」強 制の廃止(5)教職員評価制度廃止の4点を要請した。

 同日のパナソニック・デモに参加した非正規争議の当事者や支援者らも合流。吉岡力さんは「脱税、不法企業のパナソニックに税金を投入するな」。記者会見 を終えたIVAWブライアンさんも「大阪を占領状態にしてはならない」と激励した。韓国の労働者も「差別と民族排外主義を煽る橋下知事に失望した」と批判 を浴びせた。

 実行委員会の要請に対し、府側は職員を玄関に並べ庁内での受け取りを拒否したが、正当な権利への妨害に参加者が抗議を集中し、庁内で対応をさせた。

 橋本知事の暴走・暴論に危機感を強める人たちが増えている。「ヤミ金特区」構想には、日弁連と大阪弁護士会が抗議声明を、大阪クレジット・サラ金被害者 の会(大阪いちょうの会)が撤回を求める声明を出した。橋下知事の暴走に反対する声と抗議行動はどんどん広がっている。
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