2014年01月03日・10日発行 1312号

【2次提訴、原告は65人に 福島原発かながわ訴訟 「人間らしく生きられる世の中を」 第2次原告団が声明】

 福島原発災害で神奈川県に避難している6家族21人が12月12日、国と東京電力を相手に損害賠償を求める裁判を横浜地裁に起こした。9月11日の17家族44人に続く第2陣。

 請求の内容は、(1)避難生活に伴う慰謝料(2)ふるさとを奪われ、生活を破壊されたことに対する慰謝料(3)不動産など財物損害の賠償―などで、請求金額は約6億4千万円に上る。

無念の思いを込めて

 提訴後の記者会見でマイクをとった村田弘(ひろむ)原告団長は「今も5万人が福島県外に避難している。これ以上黙っているわけにはいかない、と全国12地裁で訴訟が始まった。ここまで生活を破壊して何ら責任が問われず、しかも被害者にちゃんとした賠償が払われない。これを前例にしては絶対にならない。私たちの後ろには無念の…」と語ったところで言葉に詰まり、声を震わせながら「無念の思いでいる人たちが、亡くなった人も含めてたくさんいる。私たちは生き残りとして被災者の実態を訴えていく」と続けた。

 水地啓子弁護団長は「これまで原子力損害賠償紛争解決センターに申し立て(ADR)をしてきたが、全く不十分。東電への賠償請求については時効を延長する法案が通ったものの、国への請求は時効延長になっていない。一つ一つが遅々として進んでいない。地元で訴訟があれば、地域の人もここに避難してきている方々がいるのだと思いを新たにできる。私たちも避難者の訴えを聞くたびに至らなさに恥ずかしい思いをしている」と提訴の意義を強調した。

 原告の一人で、いわき市から避難している山本達也さんが「人間らしく生きられる世の中を」と題した第2次原告団の声明を読み上げた。「『健康問題は過去も現在も将来もない』とうそぶく安倍首相。58人もの子どもの甲状腺がん。『子ども・被災者支援法』は骨抜きにされ、1ミリシーベルトは『将来目標』に。住民の健康を無視して繰り広げられる『復興キャンペーン』…。当たり前なことが通る世の中を取り戻したい。そう思って私たちは疲れた体にむち打って立ち上がった」

1月29日に第1回弁論

 第1次提訴の第1回口頭弁論は1月29日午後2時から横浜地裁101号法廷で開かれる。弁護団は第2次も併合して審理するよう求めている。

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