2015年11月06日発行 1402号
(実発行日 10月30日)

【1402号主張 安倍―橋下の改憲・新自由主義連合NO 橋下維新を葬り去ろう】

何が「1億総活躍」か

 安倍政権は戦争法強行突破後、「1億総活躍社会」を看板に「新3本の矢」を提起した。GDP(国内総生産)600兆円、希望出生率1・8、介護離職ゼロを目標に掲げた。だが、安倍政権の進める戦争・新自由主義路線では全く実現不可能な目標である。

 労働者の賃金を減らし消費を減らす政策の下で、持続的経済成長は困難だ。労働者の非正規化を徹底して進め、正社員の首切り、残業代ゼロを進める中で、多くの青年は結婚を展望できないでいる。軍事費拡大のために社会保障費を削減し介護が市民個人に押し付けられる中では、介護離職ゼロなどあり得ない。

戦争法反対運動の力

 にもかかわらず、なぜ安倍首相は「新3本の矢」を打ち出したのか。それは、アベノミクスの失敗と戦争法反対闘争の大高揚の結果である。

 アベノミクスは、金融緩和を進め、物価を上昇させ、投資を拡大し、経済成長を図るというものだった。グローバル資本とそれに連なる1%の支配層には株価上昇の利益をもたらしたが、日本経済全般と99%の市民の生活は、改善どころか実質賃金連続低下にみられるように悪化した。

 戦争法反対闘争の大高揚は、改憲路線に大きなダメージを与えた。安倍は内閣改造後の記者会見でも「外交・安全保障については、先般成立した平和安全法制の着実な施行に万全を期してまいります」と述べるだけで改憲には触れなかった。安倍政権は、戦争法反対闘争高揚を踏まえざるをえず、現在も続く戦争法廃止闘争を意識して改憲路線の即時強行を避けたのである。

 自民党幹部は「安倍政権で憲法改正に失敗したら、10年間は不可能になる。当面は経済だ。憲法改正はいったんリセットし、参院選まで逃げるというか、慎重に穏やかにやるということだ」(10/24朝日)と語る。安倍らは、戦争法を実現したやり口のように選挙では争点とせずに3分の2以上の議席をとり、改憲に持っていこうとしている。

W選で維新に終止符を

 その時に安倍政権は橋下・大阪維新を必要とする。

 官邸幹部の一人は明確に「憲法改正の必要性で首相と一致する橋下徹・大阪市長とでなければ、憲法改正は実現できない」(10/24朝日)と言う。参院で3分の2以上の議席を取るためには大阪維新が必要なのである。橋下も「安倍さんは集団的自衛権の行使、環太平洋戦略的経済連携協定を乗り越えた。安倍さんは、どれだけ批判があっても実行する」(10/15産経)と安倍を高く評価している。

 この情勢の下で大阪市長選、府知事選(11月22日投開票)が行われる。橋下は、住民投票で決着がついた大阪都構想≠再び持ち出し、改憲政党大阪維新を存続させるために何としても市長選、知事選に勝とうとしている。

 われわれは住民投票で勝利した力に依拠し、橋下維新を葬り去らねばならない。橋下維新に勝利することで安倍改憲路線を打ち砕かなければならない。反維新・都構想反対を掲げ、市長は柳本顕(あきら)、府知事は栗原貴子両予定候補を支持し、橋下維新に終止符を打とう。維新の息の根を止め、戦争・改憲・新自由主義路線を葬り去る大きな一歩を進めよう。

   (10月26日)
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