2015年11月27日発行 1405号

【声明 パリにおけるテロ糾弾 グローバル資本主義による 対テロ戦争をやめさせよう】

 11月13日夜、パリ同時多発テロ事件が発生し、129人もの犠牲者が出た。われわれはこのテロ行為を糾弾する。また、テロ被害者への追悼の意を表明する。

 「イスラム国」(IS)が犯行声明を発表し、オランド仏大統領も「『イスラム国』の犯行だ」とした。テロリストは、襲撃した劇場の人質の前で「シリアでわれわれの兄弟を殺した」「シリアに介入したオランド大統領のせいだ」と語った。彼らはフランスによるシリア空爆を口実としてテロを行ったのだ。

 これに対しフランス軍は15日、シリア北部の「イスラム国」拠点に大規模な空爆を行った。テロに対する帝国主義的対応策である。

 しかし、9・11テロを口実としたアメリカによるアフガニスタン戦争、イラク戦争が何をもたらしたか。それを見るだけでも、対テロ戦争ではテロを根絶するどころかむしろ拡大させる一途であることは明らかだ。

 グローバル資本主義による中東への爆撃は、民衆を殺戮(りく)し、民衆の生活を悪化させ、大量の難民を発生させた。多くの移民、難民はグローバル資本によって低賃金労働力として搾取され、移民の子弟は未来への展望を失った。グローバル資本主義の戦争と新自由主義政策がテロの温床となっているのである。

 多くのグローバル資本主義国は、中東石油利権のためにテロリストへの武器や資金の援助を行い、彼らを育成してきた。
 グローバル資本主義とイスラム主義テロ勢力は、対立と共謀のもとに中東民衆の生活を破壊し、さらにヨーロッパの市民を犠牲にしたのである。

 テロを根絶するためには、グローバル資本主義の戦争・新自由主義路線を終わらせなければならない。フランス、アメリカ、ロシアなどによる空爆を直ちにやめさなければならない。武器輸出をやめさせなければならない。直ちにシリア和平を実現し、テロリストを孤立させなければならない。イラクに真の民主主義政府を樹立し、腐敗をなくし、殺戮をやめさなければならない。全世界で移民の権利を保障し、難民を受け入れ、生活を保障しなければならない。また、各国で強まるムスリム(イスラム教徒)排斥、非常事態を口実とした言論の自由破壊を許してはならない。

 この時、安倍政権の策動に注意しなければならない。安倍首相は11月15日、「われわれが共有し、守ろうとする価値に対する挑戦だ。国際社会が一致して断固非難すべきだ」「日本はフランスと共にある。できることは何でもする」と述べ、グローバル資本主義の一翼として行動することを明言した。戦争法具体化の策動がさらに強まることに最大の警戒心を持ち、自衛隊の戦争参加を許してはならない。

 対テロ戦争はテロを拡大する。テロを根絶するために全世界の民衆は連帯し、グローバル資本主義の戦争・新自由主義路線を葬り去ろう。

2015年11月16日
民主主義的社会主義運動 中央委員会
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