2016年01月01・08日発行 1410号

【みる…よむ…サナテレビ382 2015年12月19日配信 イラク平和テレビ局in Japan 国家安全保障ではなく、市民の安全を! チェ・スミさん】

 12月6日、「戦争法廃止!安倍打倒!ZENKO集会」に韓国からチェ・スミさん(脱核ウルサン市民共同行動執行委員長、対案文化連帯)が参加。「国家安全保障ではなく、日韓市民の平和連帯で軍備をなくし平和を勝ち取ろう」と訴え共感を広げた。イラク平和テレビ局の取材による映像をお伝えする。

 チェ・スミさんは冒頭、「日本と韓国は国家による暴力ということでは同じと感じる」と語った。韓国では、政府の言論弾圧と国家暴力に10万人の市民の抗議行動が行われたばかりだった。日本では、福島原発事故、戦争法強行、沖縄新基地建設強行の暴力だ。

 韓国では「国家安全保障の名で民主主義はいつでも廃棄される」。天文学的な額の税金が軍備のために使われ、軍事費の支出は世界10位なのに福祉はOECD(経済協力開発機構)中では最下位である。

 韓国の状況を端的に示しているのが徴兵制だろう。17歳の息子がいるチェ・スミさんは「軍隊奴隷制度」と批判する。男性は20代という人生の一番の青春の時期に軍に入隊しなければならない。しかも「韓国軍は1年に平均100人の軍人が死んでおり、その65%が自殺」という実態だ。親は誰でも息子を軍隊に送るときは「どうか生きて帰ってこい」と言う。

 イラク占領に送り込まれた自衛官の自殺は異常に多い。自衛隊内のいじめ・暴行による自殺も続出している。政財界は若者を経済的徴兵制≠ノ駆り立てる。

 済州島(チェジュド)カンジョン村の海軍基地反対運動も報告された。暴力で基地建設を強行する政府に対し、住民は絶滅危機の生命、生態系、平和の土地を守るために今まで闘ってきた。現地の反基地運動団体の写真は沖縄辺野古の新基地建設そっくりだ。

 チェ・スミさんは「軍備競争を止め軍縮に進むことができる道は、自覚的な市民の抵抗しかありません」と考え、日韓市民の平和連帯のネットワークをつくろうと呼びかける。沖縄とカンジョン村の反基地運動の連帯、日本と韓国の近代史の理解を通じた平和教育、反戦平和のための日韓青少年フォーラムなどである。

 「平和であることが市民の安全を守る、軍隊をなくすことが平和である、と広げていきましょう」。チェ・スミさんの訴えを国際連帯の闘いで進めたい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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