2016年01月15日発行 1411号

【議会を変える 市民と変える/東京都足立区議・土屋のりこ/言論統制をはねのけて】

 新年おめでとうございます。

 昨年は安倍政権によるクーデターのごとき戦争法強行採決がありました。己に批判的なコメンテーターらを番組から降板させるという、国家権力によるマスコミへの言論弾圧も大きな問題でした。

 批判的な声を封じ込める、言えなくさせる。地方議会でも同様の「空気」が蔓延してきていると感じます。

 12月議会でこんなことがありました。私は日々の取り組みをブログで発信していますが、自民党の議員がその内容に関して、ウソの出来事を書き立てている議員がいるという趣旨のことをわざわざ関係のない委員会の場で取り沙汰し、さもこちらに非があるかのように騒ぎ立てたのです。

 どういった内容かというと、小学校での放射能測定の際、立ち会わせてほしいと求める市民らに区当局が投げつけた言葉で、立ち会い要求を続けるなら測定しないぞという恫喝にも似た発言があったのですが、それは事実ではないと言いたかったようです。

 教育委員会が秘密裏に現場でのやり取りを録音しており、ブログ自体は正確に発言を引用する形で修正をしました。けれども、ここには二つの問題点があります。

 一つは、恫喝に等しい発言を正当化することで、放射能測定への立ち合いを求める市民の要求を封じ込めることです。二つ目に、私の議員活動、「ともにつくる会」の政治活動への言論弾圧にほかなりません。ブログでは正確な言葉でなかったにせよ、要求する市民に対して『測定できなくなりますよ』と言うことは、『要求するのならやらない』と言っているに等しい。公権力を持つ者が、市民に向かって言っていい言葉ではありません。

 今回のことは、自民党議員の質問に端を発しています。トップの安倍が安倍なら、いかにもその末端のやりそうなことです。無所属の、弱い立場にある女性議員への権力をかさに着た言論弾圧、といった構造を思い浮かべてみてください。

 自分たちの意に反する声は聞こえなくする、声を上げなくさせる。こんなふうに、自由に思想信条を語り合い表現する空間をなくされるわけにはいきません。

 市民の自由で素直な声に耳を傾け、代弁していく役割が大切だと痛感する出来事でした。

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