2016年01月22日発行 1412号

【沖縄・辺野古/基地建設に終止符打つ年に/「夜明けを我々がつくる」】

 年明けの1月1日、新基地建設阻止の決意を共有する新年最初の集い「初興(はちうくし)」が名護市辺野古の浜で行われた。まだ薄暗い午前6時台から浜には次々と人々が訪れ、この日は約700人が参加した。

 初めに執り行われた新年の祈り「御願(うがん)」には、稲嶺進名護市長と参院選立候補予定者の伊波洋一さんが参加。今年は、基地問題を終わらせること、宜野湾市長選では志村恵一郎候補、参院選では伊波洋一候補予定者を勝利させることを祈願した。

 古典音楽斉唱や琉球舞踊なども披露され、正月らしい雰囲気が醸し出された。めでたい儀式を共に祝うかのように、演奏や踊りの最中には初日(はつひ)が見事に顔を表した。

 稲嶺市長は「今年は沖縄の基地問題に終わりを告げ、とどめを刺す年。私たちは県外や世界中から多くの声援を頂いている。ひるむことなく、とどまることなく、この1年しっかりと頑張りたい。私も皆さんと共に常に前進あるのみ」と固い決意を語った。

 伊波さんは、1月24日の宜野湾市長選に触れ、「辺野古の闘いは宜野湾市長選にかかっている。今、政府は宜野湾市長選を辺野古問題の選挙ではないという形で一生懸命薄めようとしている。辺野古の行動と合わせ宜野湾市でも皆さんの力を貸してほしい」と協力を求めた。

 最後に沖縄平和運動センター議長・山城博治さんから「政府に基地建設を断念させ、来年こそは本物の歓喜のお祝いをしよう。生き抜いて、政府の弾圧に耐え抜き、夜明けを我々がつくる!」との熱い呼びかけで締めくくられた。

第2回裁判を800人で激励

 昨年12月に国が県を訴えた代執行裁判の第2回口頭弁論が1月8日、福岡高裁那覇支部で開かれた。裁判に先立ち激励集会が裁判所前の城岳(じょうがく)公園で行われ、雨の中約800人が応援に駆け付けた。昨年12月に発足した「オール沖縄会議」として行う初めての集会だ。登壇者も共同代表の呉屋守將金秀グループ会長や高里鈴代さんのほか、シールズ琉球の玉城愛さんら幅広い層が目立ち、翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事も参加した。翁長知事は冒頭「雨の中結集したことに大変勇気づけられ、この闘いは必ず勝利をすると確信をしている」。辺野古の現地闘争について「大変厳しい中で絶対に基地を作らせてはいけないという思いで頑張っている」と思いを寄せた。法廷闘争や今後控える選挙戦にも触れ、「勝利」という言葉を何度も繰り返し、一つ一つの闘いを県民と共に乗り越える強い決意を示した。

 今回の口頭弁論では、主に代執行の要件や訴訟の進行について国と県の主張が真っ向から対立した。県側は「(1)国は地方自治法の『是正の指示』や違法確認訴訟などを経ずに提訴、代執行の要件を満たさない(2)国は翁長知事の埋め立て承認取り消しを止めており、代執行の必要はない(3)知事の取り消し以降、国は対話を放棄し、代執行訴訟を起こした」と主張。対する国側は「(1)翁長知事は姿勢を変えず『是正の指示』や違法確認訴訟などで是正は困難(2)訴えは迅速な是正を図る代執行手続きの趣旨に合う(3)翁長知事は国との協議でも、方針を変えなかった」と主張した。

 伝家の宝刀≠フごとく代執行しかないとの一点張りで、行政不服審査法を悪用する国に対し、多見谷寿郎裁判長も「代執行訴訟を起こす前に、違法確認訴訟などやるべき手続きがあったのではないか」と指摘。行政不服審査法についても「行政主体としては一体であり、行政不服審査法は関係ないという話にならない」と苦言を呈した。

県側証人採用が焦点に

 県側弁護団の竹下勇夫弁護士は弁論後、「国側のやり方は荒っぽい。私人になったり、お上になったりで、裁判所も、それはやっぱり違うのではないかと指摘していたのでは」と振り返った。慎重審理を求める県側に対し、迅速な弁論終結を訴える国側の姿勢に安倍首相の言う「地元に丁寧に説明を尽くす」心など微塵もないことは明らかだ。次回第3回口頭弁論は1月29日。県側の証人採用が行われるかどうかが焦点となる。

 「オール沖縄会議」として、次回も激励集会を開き、辺野古への現地行動を週2回に増やし、両面から辺野古新基地阻止の闘いを支えていくことが行動提起された。安倍政権の悪政を葬り去る′ァ民一丸となった闘いがいよいよ本格的にスタートした。(A)

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS