2016年01月29日発行 1413号

【訪韓報告 希望連帯労組と交流/社会的労働運動で共感 なかまユニオン 井手窪啓一執行委員長】

 昨年末の12月29〜31日、首都圏なかまユニオンの伴幸生委員長らと共に訪韓し、全国不安定労働撤廃連帯や希望連帯労働組合等と大変有意義な交流をしてきました。

 29日の日韓労働問題シンポジウムには、40人ほどの参加がありました。撤廃連帯キム・ヘジンさんの報告は、今韓国政府は、日本の後を追うように労働法制全般の改悪を強力に進めており、中でも労働者派遣法で現在禁じられている製造業への派遣を解禁し、そのことを突破口に派遣法のネガティブリスト化が狙われていると警鐘をならしました。伴委員長は、昨年9月の派遣法改悪とともに、今国会で狙われている残業代ゼロ法や検討が進む解雇金銭解決制度などの攻撃について報告。韓国の労働者への攻撃の「先を行く」安倍政権の政策やそれに対する闘いに多数の質問が寄せられ、活発な議論が交わされました。

 30日には希望連帯労組との交流会を持ちました。希望連帯労組からは、昨年の大阪団結まつりに来日したキム・ジンオク連帯部長をはじめユン・ジンヨン委員長以下10人近い参加がありました。

 希望連帯労組は、民主労総の労働組合として2009年、9人で結成された比較的新しい組合です。ケーブルテレビで働く非正規労働者の組織化に成功し、現在の組合員は8支部3200人。非正規労働者の組織化に力を入れ、解雇争議には高空籠城など激烈な闘争を展開しています。一方で、社会事業を行うための基金を会社に拠出させて事業団を作り、事業団を通じて貧困児童への給食活動、学習支援を行う社会活動を展開、ネパールの労働組合との交流や貧困問題支援など国際連帯活動にも力を入れています。他にも生活文化連帯闘争など従来の労働運動の枠を超えた活動で、韓国の労働組合ではかなり異色な組合です。

 なかまユニオンからは、結成の経緯、労働相談活動を中心とする日常活動、「入れ墨」不当処分撤回闘争、「日の丸君が代」処分撤回闘争、マリーマーブル社などセクハラ・パワハラとの闘い、労働法制改悪反対、反原発、反安倍・戦争法反対闘争などについて報告しました。

 交流の感想として、希望連帯労組ユン委員長は「労働運動の力だけでは勝利できないと考える点は一致できる。こういう問題意識をもっと話したい。社会的労働運動をしているのが嬉しい。2月の交流を楽しみにしている」。事務局長は「話を聞いて素晴らしいと思った。市民団体と連帯する労働組合に会ったことがない。我々と共通点が多い」と述べました。短い交流でしたが、参加者が大変喜んでいたのが印象的でした。

 2月11〜14日、希望連帯労組以外に青年ユニオンや「同胞ひとつ」とも交流する韓国ツアーを計画中です。交流を深め、韓国側から要望のあった平和課題や労働運動課題での日韓同時行動も議論したいと考えています。

 参加者募集中。なかまユニオン(電話 06―6242―8130 FAX 06―6242―8131)

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