2016年01月29日発行 1413号

【議会を変える 議会報も変えなければ 大阪府枚方市議・手塚たかひろ】

 「枚方市議会報」2016年新春号が昨年末、各家庭に配布された。4面には会派の新年の抱負が掲載されている。しかし、私は「新年明けましておめでとうございます」のみ。これを見た市民の方から「手塚は抱負がないのか。なぜ、このようなことになっているのか」とお叱りの言葉を頂いた。早速、説明をした。それを聞いて、当該の市民は大変立腹された。

 枚方市議会は3名以上でなければ会派として認めない。私は「平和・自治・市民」と名のっているが、会派と認められているわけではない。

 新年の抱負は、あくまでも会派の抱負を掲載する欄。議員個人の抱負を掲載するものではないとのこと。紙面のスペースは会派の議員数に比例しており、私の名前のところも一人分のスペースはある。だから、少しではあるが抱負を書く余裕はある。にもかかわらず「決まり文句しか掲載させない」紙面の扱いは非民主的と言わざるを得ない。

 さらに、市議会報は、議案への賛成討論や反対討論も、会派代表としての討論でなければ掲載しない取り扱いを続けている。私の賛成・反対討論は市議会報に掲載されることはなく、市民には伝わらない。それだけでなく、会派としての反対討論も同じ議案への賛成討論がなければ掲載されない。枚方市議会では、当局の議案への賛成討論が行われることはほとんどないので、どのような反対討論があったのかは、かなり後で公開される議事録を見なければわからない。さらに、議案への質問も質問者の名前を掲載しないし、意見書については誰が賛成したのか反対したのかは議事録でも公開されない。

 議員個人が、どのような発言や質問をしたのかが、代表質問や一般質問を除いて市民へ報告しない議会報は、議員の緊張感を緩める。議会強化にはつながらず、市民への説明責任の放棄と言わざるを得ない。議員は個人として対等であり、議会での質問や発言はできるだけ早期に市民に報告する義務がある。

 会派の陰に隠れて議員個人の責任を明らかにしない市議会報は早急に変える必要がある。これまで何度か、改革を申し入れてきたが暖簾に腕押し。今年度は「やっても無駄か」と申し入れをしなかった。

 市民の当たり前の疑問とお叱りを受けて、私自身の感覚がマヒしかかっていたと強く反省した。議員として「言うことを言う」とともに、今年は市民運動として議会改革を取り組みたいと思う。市民に開かれた市民の知る権利を保障し市民参加を拡大するために、議会の問題点を発信し、市民との議論を進める決意だ。
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