2016年02月19日発行 1416号

【坂井美穂のじゃらんじゃらんinインドネシア 現地報告番外編 コーヒーショップでの事件から】

 みなさんこんにちは。早いものでもう2月、節分も終わってしまいましたね。年末年始の帰省から私がパダンに戻るというまさにその日にジャカルタで起こった事件は、みなさん記憶に新しいかと思います。今回は、番外編として、国内コーヒーショップにまつわる事件についてお話したいと思います。

 昨年末よりキナ臭い動向があったようで、年末年始にかけて爆弾テロを計画していたとのこと。警察庁対テロ特殊部隊が6名のインドネシア人を逮捕、ISの旗や爆弾作成の準備物などが押収されました。その数日後には別のテロを計画したとして、2名が逮捕されました。在インドネシア米国大使館が注意喚起のメッセージを送信していたこともすでに知られています。

 東南アジアテロ専門家とされるシドニー・ジョーンズ女史によれば、インドネシアでのISシンパは大きく分けて2つの派閥があり、両者の間で国内にくすぶる分子を動員し、東南アジアでの実績をあげようということが言われているそうです。

 今回事件が起きたのは、ジャカルタ中心部の日系企業も入るオフィスビル1階スターバックス周辺。年末に摘発できなかった国内分子の一部が起こしたと考えられます。インドネシア国内では、テロ対策強化が声高に叫ばれています。

 さらに国内ニュースを騒がせているのが、毒コーヒー殺人事件です。これもジャカルタ、高級モール内のコーヒー店で起こりました。1月末に容疑者として逮捕された女性が、シアン化合物をコーヒーに混ぜ友人を殺害したという事件です。容疑者、被害者を含めその場で集まった3人はオーストラリアの大学の同期でした。警察の公式発表はまだですが、容疑者が被害者のことを好きなのにうまく関係を築けず、被害者が男性と結婚したことが容疑者に追い打ちをかけたなど、いろんな憶測や噂がいまだ飛び交っています。

 インドネシアのコーヒーショップから、現代の様々な社会問題が見えてきますね!

(筆者は、アンダラス大学人文学部招聘教員)

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