2016年02月19日発行 1416号

【井戸川裁判第3回口頭弁論 福島のウソを裁く 東電・国は賠償責任を免れない】

 井戸川克隆・前福島県双葉町長が東電と国を相手に起こした「福島被ばく訴訟」。2月4日、東京地裁で第3回口頭弁論が開かれた。

福島県を厳しく告発

 原告側は4つの準備書面を提出。被告・東電の賠償責任否認の主張に対し「原子力損害賠償紛争審査会の会長も『(審査会の)指針に書いてないから賠償しないという考え方はもともとおかしい』と述べている」ことなどを挙げて反論するとともに、被告・国に対して、事業者である東電の津波対策の不十分性を強力に指導・監督し規制権限を行使していれば事故は防げたとしてその不作為責任を追及した。被曝のリスクについても「放射線被曝に安全量はなく、その影響は確率的・晩発的。死に至るおそれのある重篤な結果をもたらす」と指摘した。

 口頭弁論後の集会で井戸川さんは「福島のウソを裁く」と題して報告。福島県が自ら定めた原子力災害対策−「緊急被曝医療活動」「損害賠償請求に必要な資料の作成」など−をサボタージュし、オフサイトセンターに設置される原子力災害合同対策協議会から市町村を外したことを「生存権の妨害」「裏切り」として厳しく告発した。

 裁判を支える会共同代表の川根眞也さんは放射性ヨウ素による初期被曝に関連して、原子力災害現地対策本部が2011年4月におこなったダストサンプリングの結果から「南相馬市立小学校の校庭で8796ベクレル/立方b、いわき市立小学校で4713ベクレル/立方bのヨウ素131が検出された。全面マスクを着用しなくてはならない量だ」と明らかにした。

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