2016年03月04日発行 1418号

【フェアコープ奮闘中(45)つながり合える場 作りたい】

 2月14日、フェアコープも共催団体に加わった「被ばく強要・棄民政策と闘うつどい」が地元の大田区で開催されました。

 医療問題研究会の高松医師を迎えて開催されたつどいには、福島から避難されている方々が参加し、健康被害のことを周囲に話すことのできない孤立感、二度と故郷の我が家に戻ることのできない絶望感、事故は国と東電によって引き起こされた人災にもかかわらず責任があいまいにされていることへの怒りなど、現在置かれている状況が切々と語られました。

 ただですら置き去りにされている区域外避難者への施策を国や福島県が切り捨てようとする中で、私たちの運動の強化が問われていることを改めて考えさせられました。

 甲状腺がんの多発は隠しようのない事実なのに、環境大臣の「1ミリシーベルトには根拠がない」といった発言を聞くに及び、600兆円のGDPを達成するためには、原発でも兵器でも輸出しようとする、命よりカネの安倍政権の姿勢を本当に変えていかなければと強く思います。

 私の周りにもこうした状況を変えていきたいと考えている人がたくさんいます。共同で何かできないか、そのような話が今年に入って始まりました。

 最近「子ども食堂」とか「じもと食堂」といった取り組みが新聞などで報じられています。そうしたことをやりたいが場所が見つからず先に進まないとか、障がいのある方の「模擬就労」のようなことができる場を持ちたい、地域に誰もが集える場を作りたいといった声が少なからず寄せられています。

 それぞれが単独ではできなくても、力を合わせてそのような「民主的な空間」を作ることができないか。フェアコープは、つながりを持っている人たちと話し合いを続けています。単なるプランで終わってしまう可能性もありますが、「つながりをひろげる」というフェアコープの理念にも合致することなので、知恵を出し合っているところです。

 ところで、私は首都圏なかまユニオンの活動にも参加しています。「ブラック企業」なる言葉はすっかり社会に定着してしまいましたが、そのものといった事例に遭遇することが増えています。

 非正規労働者が2千万人を超えたと報じられています。アベノミクスが破綻を見せる中、ユニオンの存在とともに、あるべき働き方を示す協同組合的事業体を作っていくのは、これからの時代の重要な課題だと思います。

 売り上げ数値に腐心する日々というのが実態ではありますが、夢をもって前に進んでいきたいと思っています。

  (東京事業所 佐々木透)
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