2016年03月18日発行 1420号

【ひだんれんが集会 原発事故被害者が訴え 声を聞け!切り捨てるな 棄民$ュ策を追及】

 「原発事故被害者の声を聞け! 原発事故被害者を切り捨てるな!」のカードを一斉に掲げ、思いを伝える。福島原発事故から5年を迎える3月2日、東京・日比谷野外音楽堂で「被害者を切り捨てるな!全国集会」が開かれた。

 主催したのは、17団体4オブザーバーでつくる「ひだんれん」(原発事故被害者団体連絡会)。780人が参加し、集会・デモを繰り広げた。

 ひだんれん共同代表で原発被害糾弾飯舘村民救済申立団団長の長谷川健一さんが主催者あいさつ。「ひだんれんがめざすものは横のつながり。政府は午前中の交渉でも今まで通りの答弁で、怒りがわいた。これで負けるわけにはいかない。政府が最も嫌がっているのは、被害者の団結。立ち向かっていこう」と決意を述べた。

 参加団体からの発言が続く。原発損害賠償京都訴訟原告団の宇野朗子さんは「大人にも子どもにも健康被害が生じている。この5年は序章。これだけの汚染がありながら避難の権利が認められないなど、あってはならない。国と県は被害者をゼロにしようとしているが、なくすべきは被曝強要と被害だ」。

 原発賠償関西訴訟原告団からは「原告は87世帯240人。その半数が子どもで、自分たちの将来のために声を上げている。命より大切なものがあるのだろうか。声を上げなければ何もなかったことにされてしまう」。田村市から東京に避難している福島原発被害東京訴訟原告団の熊本美彌子さんは「鳥取県は住宅の無償提供を続ける方針を決定した。いまだ緊急事態宣言が解除されていない中で、帰れ帰れとは酷なことだ」と住宅無償提供の継続を訴えた。

すべての被害の救済へ

 避難基準20ミリシーベルト撤回訴訟原告で南相馬・避難勧奨地域の会の菅野秀一さんは「日本全国年1ミリシーベルトが基準なのに、なぜ私たちの地域だけが20ミリシーベルトになるのか。空間線量ではなく土壌を測るべきだが、南相馬はどこも1平米あたり4万ベクレルを超えるから測ろうとしない。原子力ムラが日本を動かしている。原発を世界中からなくしたい」と力強くあいさつした。

 福島原発告訴団の武藤類子団長が「東京電力元幹部3人が強制起訴された。刑事裁判の被告となった」と報告すると、大きな拍手が起こった。「1万4千人が告訴してから4年の月日が流れた。私たちは被告の犯罪的行為によって理不尽な被害を受けた被害者であることを何度も言い聞かせていきたい。ひだんれんは闘う被害者、声を上げ立ち上がる被害者だ。すべての被害の救済を求めて闘い続けよう」

 集会後のデモは経産省、東電本店を通るコース。経産省前テントひろばからは「ともにがんばろう」とエールが送られた。東電前では立ち止まって、「謝れ!償え!補償せよ!」「被害者の切り捨ては許さないぞ」のシュプレヒコールが繰り返される。キビタキの会の女性は飛び入りでマイクを握り、「東電は謝罪しろ。東電は福島に住んでみろ」と怒りをぶつけた。



ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS