2016年03月25日発行 1421号

【韓国連帯ツアー首都圏なかまユニオンなど/非正規職撤廃、最低賃金引き上げ、戦争反対など/通年的共同行動に踏み出す】

 2月10〜14日、なかまユニオン、首都圏なかまユニオン、全交などの韓国連帯ツアーは、韓国労働運動・平和運動と交流を深めた。首都圏なかまユニオンの伴幸生さんから報告が寄せられた。

 2月10日から14日の韓国連帯ツアーは、青年ユニオン、「同胞一つ」、希望連帯労組、そして年末のシンポジウムを受けての不安定雇用撤廃連帯との協議など盛りだくさんの内容となった。

 事前準備を含めて日韓の労働情勢や労働相談活動事例報告などお互いの運動を本格的に交流し、今後の定期交流と連帯行動を進めていく節目となる交流となった。また、日韓の青年層「貧困化」など共通する課題に連帯して取り組むことが確認された。

共同キャンペーンを

 青年ユニオンとは、次期執行部を選出する選挙期間という多忙な中での交流となった。4月総選挙、2017年大統領選に向けて、様々な青年団体とのネットワークを作りながら最低賃金引き上げや雇用保険拡大など、青年層の貧困問題を変えていく絵≠描いていることに最も刺激を受けた。公労使で構成される最低賃金委員会の委員となり協議過程を積極的に公開してきたことを踏まえ、5〜6月にかけて日韓の連帯行動を取り組もうという提案も出された。

 韓国では全国一律最賃となっていることから、日本の地域別最賃の格差是正(東京907円に対し沖縄693円)、全国一律最賃1500円を打ち出すなど共同のキャンペーンを進めたい。

 青年の平和運動グループ「同胞一つ」との交流では、全交から「安倍政権の戦争路線と日本の民主主義運動の発展」と題して昨年の戦争法案阻止闘争から辺野古新基地建設阻止の闘いと市民投票運動、2000万人署名など、参院選とつながる闘いの報告を行い、意見交換した。今後も様々な情報を共有していくことになった。

 青年ユニオンや希望連帯労組も、参院選に向けて「野党共闘」にまで進んだ日本の運動に注目していた。日韓の連帯した行動が意義深いものとなる手ごたえを感じた。

連帯が運動の力

 初めての交流となった希望連帯労組(民主労総所属)は、大手電機メーカー関連のLG+、ケーブルTV(CNN)、SKブロードバンドなど非正規労働者の闘いと組合作りに取り組んでいる新しい労働組合だ。LG+では、非正規の組織化を進める上で、組合つぶしをさせないように全国70の下請け事業所の半数で非公然の組織化を進め、公然化していったことが語られた。

 希望連帯労組からは、(1)全交・団結まつりへの参加、日本からの訪問など交流(2)N社、LGでの連帯(3)非正規職撤廃と公共性の強化をめざす共同キャンペーン(4)戦争・原発反対の共同行動―の4点が提案され、日韓相互の連帯行動を進めていくことを確認できた。

 不安定雇用撤廃連帯からも、韓国での「派遣法」施行18年を迎える7月1日前後に、実態を告発し派遣法廃棄を世論としていくための大規模な「討論会」を開催することが提案された。

 今回の4団体との交流を通じ、日韓両国のグローバル資本共通の動向と軍事化、「貧困化」の中で、組織されていない青年層、特に不安定雇用労働者に対して、日韓の連帯した行動を互いに進めることが両国の運動を前進させる力になることを改めて感じた。

 7月末の2016ZENKOin大阪を節目に通年的な共同行動に踏み出したい。





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