2016年03月25日発行 1421号

【ジュゴン保護キャンペーンセンター総会開く/国際的な闘いで沖縄新基地を断念へ】

 「辺野古基地建設の工事中断は闘いの成果! 国際的な闘いで建設断念へ」―ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は3月12日、第16回総会を大阪市内で開き、新基地建設断念への正念場の闘いの方針を決めた。

 SDCC代表で音楽家の海勢頭豊さんはあいさつで「私も辺野古に行くたびに1時間位コンサートをしてジュゴンの文化的価値を語っている。翁長知事にもぜひとも直接会ってジュゴンのことをレクチャーしたい」と述べた。

 総括方針では「辺野古の工事を中断させた。戦争法反対、埋め立て阻止の闘いの成果」と指摘。「なにより座り込みメンバーが休めることが大きい。工事を中断させたことに意義がある。中断している間に辺野古断念への世論作りを国際的にも広げていくこと」が呼びかけられた。

 国際担当の吉川秀樹さんがアメリカの動きを紹介した。「ジュゴン訴訟(注)の控訴審は今年5月から6月に始まる。訴訟とは別に、米歴史保存諮問委員会や海洋哺乳類委員会への働きかけが可能になる。国防総省は住民や環境団体との協議や公聴会をろくに開かずに国家歴史保存法の手続きを完了した。現在、調査報告書の提出の準備をしている。不備が明らかになれば、国防総省が日本政府に発行した『キャンプシュワブ入構許可証』が取り消される。工事ができなくなる。米国ではバークレー市やケンブリッジ市で市議会決議が上がっている。米国内での世論作りを強めるときだ」

 SDCCが取り組む今年度の最大の取り組みがIUCN(国際自然保護連合)の第6回世界自然保護会議だ。9月1日から10日にかけて米国のハワイで開かれる。米国NGOとともに「ジュゴンの海を守れ。基地建設断念せよ」の世論を国際的に広げるチャンスと位置づける。IUCNに向けて埋立反対署名やジュゴン・キルトでのメッセージ集めを始める。

 4月22日には政府交渉を行い、環境省・防衛省・国土交通省を攻める。

 さらに「中断している間に一気に闘いを広げる」の合言葉の下、取り組みの決意が語られた。「2003年に始まったじゅごんの里ツアーを今年も実施します。日程は7月1日から3日です」「バークレーの決議に勇気をもらった。日本でも市議会での意見書採択への陳情・請願を行おう。大阪市・大阪府議会に『じゅごん茶話会』名で提出した」

 海勢頭さんも「6月の沖縄県議選は負けることができない。応援に入る」との決意を述べた。

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(注)ジュゴン訴訟

 辺野古埋め立てでジュゴンの生存が脅かされることに対し、米国の国家歴史保存法を根拠に環境保全や工事の差し止めを求めた訴訟

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