2016年05月06日・13日発行 1427号

【1427号主張 野党共闘の可能性示した衆院補選 2000万署名の力を参院選へ】

自民追いつめた大健闘

 4月24日、衆院補選の投開票が行われた。

 焦点であった北海道5区。市民の力で野党共闘が実現した池田候補は、残念ながら1万2千票差の惜敗となったが、大健闘し自民を追いつめた。安倍の思惑は、自民重鎮の町村死去に伴う「弔い合戦」に新党大地を取り込んで圧勝し、衆参同日選への弾みに、というものだった。ところが、池田候補は札幌市厚別区で4千票など多くの市で相手候補を上回り、無党派層の約7割の支持を得た(出口調査、4/25朝日など)。自民候補は自衛隊関係者の多い千歳市、恵庭市での1万8千票差で何とか乗り切った薄氷を踏む辛勝だ。接戦にまで追い上げた事実は、市民の力と野党共闘の可能性をはっきりと示した。

 京都3区では、安倍自民は公認候補擁立すらできず不戦敗。民進党の拒否で野党共闘は実現しなかったものの共産党が候補を立てず自主投票とし、事実上の「選挙協力」で民進党候補が勝利した。重要なのは、安倍が改憲パートナーと位置付けるおおさか維新の会が惨敗したことだ。

 「安倍首相は衆参同日選を見送る意向を固めた」(4/25朝日)と報道されるように、そのシナリオはつまずいた。

行きづまるアベ政治

 アベ政治はあらゆる面で破綻があらわになっている。

 震度7が観測史上初めて同一地点で2度あった熊本大地震。死者・行方不明50人、関連死13人、避難者は一時10万人(4/24現在6万人)を超える大震災であり、発生ただちに激甚災害と指定して当然だ。しかし、安倍は、蒲島(かばしま)熊本県知事から指定を求められながら、「事務的に数字を積み上げていかなければ法律的にできない」(4/18国会答弁)として4月25日まで10日間も先送りを続けた。23日には現地視察に入ったが、被災者のいる避難所へ行く前に、まず自衛隊の拠点訪問を優先し「激励」。その画像を官邸ホームページなどに流させた。必要もない米軍オスプレイでの輸送パフォーマンスと同じ政治利用であり、被災者、住民の命など二の次なのだ。「政府の対応不十分」60%(4/25ANN世論調査)と批判が広がりつつある。

 また、今国会の最重要課題とするTPP(環太平洋経済連携協定)についても、震災被害拡大の中でも審議を強行し、批判が集中。ついに20日、承認も関連法案も今国会成立断念に追い込まれた。

2000万署名で野党共闘築く

 参院選勝利で安倍を退陣させなければならない。

 そのためには、新聞・TVが安倍デマ宣伝の広報となる中、厳しい生活・労働実態で考えることさえ困難という人びとに働きかけなければならない。一人一人と対話し、地域丸ごと変革していくことが必要だ。戦争法廃止2000万署名はその実践であった。

 今、推定全国1千万筆、署名原本到着は700万筆に達した(4/22総がかり実行委)。全交は約6万5千筆を街頭で集め、一翼を担った。この署名の力が各地の野党共闘実現を後押しする原動力となった。

 2000万署名は6月末まで延長される。さらに地域の隅々に広げ、5月3日憲法集会をステップに、全国すべての選挙区で野党共闘を実現しよう。参院選に勝利し、安倍を倒そう。

 (4月25日)
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