2016年05月06日・13日発行 1427号

【「残業代ゼロ」法は廃案だ/雇用共同アクションが国会前行動/人間らしく働ける労働法制を確立しよう】

 昨年の通常国会で継続審議となった「残業代ゼロ・過労死促進」法案=労働基準法改悪案。今国会でも審議は進んでいないが、塩崎厚労大臣はたびたび「政府として速やかな成立を求める」と述べている。

 さまざまな労働組合や争議団が組織の違いを超えて集う「安倍政権の雇用破壊に反対する共同アクション」は、労働時間規制・解雇規制の緩和を許さず、人間らしく働ける労働法制の確立を求めて国会前行動を重ねてきた。

 4月13日の行動には80人以上が参加した。発言で、昨年9月の労働者派遣法改悪後の実態を伝えたのは、いすゞ自動車非正規切り裁判原告の五戸豊弘さん。「正社員がどんどん減り、派遣が増えている。違法派遣も相変わらずだ。日立の栃木工場は労働者の7〜8割が外国人。派遣会社は彼らに労働条件の説明もせず、契約も交わさない。低賃金の上、忙しい時期は月100時間以上残業をさせる。派遣の裁判で出された不当判決の通り、“派遣社員は生産・雇用の調整弁”。安倍首相が『同一労働同一賃金』を言い始めたが、派遣と同じ仕事をしている正社員は派遣と同じ賃金にするという企業が絶対出てくる」と警鐘を鳴らす。

 これを受け、雇用共同アクションの伊藤圭一事務局長は「注意すべきは常用雇用型派遣の増加。専門26業務のしばりがなくなり、どんな仕事でも派遣元で常用なら3年の期間制限なしにずっと派遣にやらせる。正社員の派遣への置き換えが間違いなく進む」と労働組合としての調査点検の強化を呼びかけた。

 全労協の柚木(ゆのき)康子常任幹事は米シカゴの労働組合との交流を報告。「最低賃金15ドルの運動でマクドナルドの店に押しかけた。シカゴ市長もイリノイ州知事も再選されたいので15ドル支持を表明している。東京でも最賃1500円キャンペーンを始める」

 ネットワークユニオン東京の寺尾そのみさんは国会見学中の修学旅行生に「おじさんおばさんたちがここで声を上げているのは、みなさんが大人になって働くときに、残業代が出ない、すぐ首を切られる、そんな世の中にしないため」と語りかけ、『線路は続くよどこまでも 』にのせて「残業続くよいつまでも/9時超え10時超え深夜超えて」「働く時間は8時間/暮らせる給料が当たり前」「やめさせようやめさせよう過労死促進法案」と歌った。

5・11最大結集

 5月11日には、日本労働弁護団が過労死を考える家族の会やブラック企業対策プロジェクトなどとともに「雇用と暮らしの底上げアクション」を行う(18時30分〜日比谷野外音楽堂)。

 スローガンは「なくせ!ブラック企業・ブラックバイト!」「なくせ!賃金差別!バイトもパートも今すぐ時給1500円!」「守れ!1日8時間労働!」の3本。雇用共同アクションもここに最大限の結集をはかる。

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