2016年05月06日・13日発行 1427号

【フェアコープ奮闘中(46)熊本地震 他人事ではない】

 先日の熊本地震はいろいろなことを教えてくれました。

 フェアコープの事業の柱の一つは、言うまでもなく高知の野菜です。放射能汚染から少しでも身を守るために西の野菜を食べたいという消費者の声に支えられて始まった野菜の宅配は、4月末で丸5年、244回を数えました。また、店頭で開催している「青空市」にもこの野菜目当てに毎回欠かさず来てくれるお客さんが定着しています。

 最近新たな注文のメールも届きました。さらに、店のメニュー食材として使っていただく料理店や、野菜を販売棚に並べてくれるカフェともつながってきました。

 前回お知らせしたように、この野菜の定期的な販売ポイントを今後広げていく計画を進めています。したがって、この事業を支えてくれている「しゃえん・ぶえん市場」がある高知県宿毛(すくも)市の対岸で起こった地震は決して他人事ではないと強く感じました。川内原発や伊方原発に事故が起こるような事態になれば、こうした事業自体が立ち行かなくなることは明らかですし、過酷事故が起これば日本全体が汚染される可能性もあることをあらためて考えさせられました。

 さて、4月25日に戦争法廃止2000万人署名は一応の集約締め切りを迎えました。昨年末から私も土日をほとんど署名行動に費やしましたが、この過程でいろいろなことがありました。街頭署名でフェアコープのお客さんに声をかけられ、安倍政権に対する怒りが共有できたり、出入りの店に署名を置いて集めてもらったりと、地域でのつながりを広げる機会ともなりました。

 5月3日の憲法集会にはフェアコープもブースを出店します。また、5月15日に19回目となる「夢あ〜るまつり」の開催準備を進めています。今回、岡山の野菜を販売する「しなちるママの野菜畑」が参加してくれることになりました。2015年に品川に出店以降「体に負担をかけない安全な食材の提供」を目指して営業していることは知っていました。思いは同じですので、今後一緒にできることはないか相談していきたいと思っています。

 話は前後しますが、4月3日、「放射能健診ネット(仮称)相談会」に参加した際、福島から母子避難して自立支援事業「スノードロップ」を運営されている方から、保養・生協(食)・健診の三つの柱でネットワークを作っていければというイメージが提案されていました。安全な食べ物を求めている福島の人たちにそれを届けることは、フェアコープの理念から是非とも実現させたい課題だと思います。まだまだ手探り状態ですが、今秋には形にしたいと思っています。

(東京事業所 佐々木透)
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