2016年05月06日・13日発行 1427号

【戦争法制違憲と提訴 平和的生存権・人格権・憲法制定権を侵害】

 安保法制(戦争法制)の違憲訴訟が4月26日、東京地裁に提訴される。

 提訴を前に20日、参院議員会館で開かれた集会で「安保法制違憲訴訟の会」共同代表の寺井一弘弁護士が明らかにしたところによると、訴訟は(1)自衛隊を海外出動させないよう求める差し止め請求行政訴訟(2)戦争法制による権利侵害・精神的苦痛への慰謝料支払いを求める国家賠償訴訟―の2つからなり、原告は(1)が52人、(2)が約500人。

 寺井さんは「元最高裁長官までが違憲と断じた法律に裁判所が沈黙することは、司法の存在意義を根底から危うくする」。同じく共同代表の伊藤真弁護士は「戦争という最大の人権侵害が起きてからでは手遅れ」と強調した。

 訴状では、戦争法制で侵害される権利として(1)平和的生存権(戦争による加害も被害もなく、平和の中で個人の尊厳を保障する基底的・具体的権利)(2)人格権(個人の平等かつ独立の人格的価値に基づく包括的人権)(3)憲法制定・決定権(主権者として憲法の条項を自らの意思に基づいて決定する根源的な権利)―の3つを挙げている。

 原告は「自立した生活を営もうとする将来に安保法制で暗雲が垂れ込めた」(身体に障がいを持つ原かほるさん)「私は子どもを戦争にやるために産み育ててきたのではない」(ママの会・辻仁美さん)など、それぞれに提訴の動機を語った。

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