2016年08月12日発行 1440号

【改憲阻止は人間の尊厳を守る闘い MDS(民主主義的社会主義運動)委員長 佐藤和義】

 最近、相模原(さがみはら)の津久井やまゆり園で起きた事件にふれたい。容疑者は「障がい者は生きる価値がない」と言って殺してしまった。今回の大量殺人は単なる個人的犯行なのか。

 彼の行為はナチスがやったことと同じ。ナチスは「劣等遺伝子をはびこらせない」と20万人の障がい者を殺した。

 麻生財務相は「90歳になって老後が心配と言っている人がいたが、お前、いつまで生きるつもりだと思った」と語った。これは、高齢者は生きる価値がないとするもので、容疑者と同じ発想。グローバル資本にとって働いて利益を生み出さない人間は役に立たない人間で、高齢者も障がい者も要らないと言うのだ。

 自民党改憲草案24条に「家族はお互いに助け合わなければならない」とある。一見当たり前のようだが、麻生発言や安倍政権が行なっている福祉切り捨てを見れば、もう政府は面倒を見ない、見捨てるということだ。

 安倍政権はあちこちで役に立たない者は要らないと煽っている。その中で、容疑者のような青年が出てきた。

 新自由主義に任しておけば、憎しみ合い、殺し合う社会になってしまう。われわれの改憲阻止闘争は9条を守るだけではない。人間の尊厳を守る社会をつくる闘い、人類の未来をつくり出す闘いだ。

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