2016年08月12日発行 1440号

【大阪府枚方市 美術館建設問題 市民の森が戻ってきた!】

 2014年3月、大阪府枚方(ひらかた)市で起きた市民無視の美術館建設問題。約2年間の見守り活動など市民の運動は市の決定、議決を覆し、7月7日、ついに建設予定地であった香里ケ丘中央公園のフェンス撤去、森の整備作業を市に行わせた。「平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会」の駒木根淑子さんに報告を寄せてもらった。

できることは何でも

 寄付者に出されていた美術館建設計画地(アラカシの森)の占用許可期限は2016年7月31日。1日も早くこの森を市民の森へと復活させたい…。あともう少しだ。森を囲む緑のバリケードを市民は苦々しく眺めていた。

 そうだ、もうすぐ夏休み! 子どもたちに安全な遊び場を! この一念で母親たちの署名活動がはじまり、見守り隊の支援にまたもや火がついた=B1週間ほどで集まった署名は1114筆。子どもからのメッセージ50。さっそく要望書と共に、市長・担当部署・寄付者へ提出された。

 そして、その3週間後の7月7日、市長決裁を得た公園みどり推進室は、ついに「バリケードの撤去」に踏み切った。あっという間の出来事だった。

 振り返ると、座り込み、署名活動、数々の抗議文・要望書・要請書、2回の請願、チラシつくり、住民監査請求、対市交渉、シール投票、街頭宣伝、マスコミへのアピール、寄付者本人との話し合い、市議選への応援、絵本の出版など、できることは思いつくままに何でもやり尽した2年間だった。

市民が主人公

 「朝のミーティング」は、参加者自らが情報の共有に参加したという点で、この運動が民主的≠ナあったことの象徴。市民が主人公≠ニいう地方自治の理念は、今また、この運動の中で生まれた「香里の歴史を考える会」という芽となり、元気よく伸びつつある。

 最後に、「奄美のクロウサギ訴訟」でよく知られる籠橋隆明弁護士の私たちへの助言を紹介して、私たちを応援してくださったみなさまに心より感謝申し上げます。

 「この種の住民運動を成功に導くには、…できることは何でもやる。そうしていると、いつの間にか、ある日勝利が目の前に…。そういう経過をたどるものが多いようですね」

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