2016年08月19・26日発行 1441号

【議会を変える 京都府向日市議 杉谷伸夫 市民とともに闘った参院選】

 7月参院選で私は、比例区は福島みずほさん(社民党)、京都選挙区は大河原としたかさん(共産党)の支持を決め、選挙活動を全力でおこなった。

 市議会議員になって5年目。これまで補選を含め4回の国政選挙があったが、特定の支持候補を公表し全面的に選挙活動をしたことはなかった。国政選挙になると政党所属の市議らが忙しく動き回っている中で、私は暇だった。

 そんな中で迎えた参院選。改憲勢力が3分の2の議席を占めるかもしれない大変な情勢だ。普段、議会ではほとんど発言しない保守系の議員が、選挙になると自公政権与党の集票活動をおこない安倍政治を支えている。私がじっとしていていいわけがない。安倍政治と改憲への厳しい批判をしてきた主張を、この選挙で全市民に訴える活動をしなければと思った。

 多くの市民の思いも同じだったのだろう。福島みずほさんの議席を守ろうと、京都でも「福島みずほ応援団」ができた。大河原としたか候補の選挙事務所は、市民の要望に応えて定例の日時を決めて市民活動に開放した。

 しかし、いざ選挙活動をしようとすると、市民が自由にできる活動は本当に限られている。選挙運動期間こそ、政治の在り方について市民が話し合うべきなのに、公選法は複雑で、素人(一般市民)には選挙活動は禁止されると受け止められているくらいだ。

 公示日以後に市民が誰でも自由にできる選挙活動として、選挙運動期間中私の事務所を開放し、電話かけをしようと呼びかけた。しかし、電話かけという「苦行」に参加してくれる人が果たしているだろうか。結果は私の予想を超えて、毎日平均3〜4人の人が電話かけに参加してくれた。生まれて初めて電話かけした人も多かった。

 電話かけで、数千人の市民と話をした。安倍政治の危険性を感じ、本当に強い共感を示す人がいる一方、多数の市民には残念ながら改憲が重要な争点と受け止められていない現実も肌で感じた。「『改憲反対』では多くの人に伝わらない。中身をもっと暴露して!」との提案もいただいた。

 参院選の結果は、改憲勢力が3分の2を占めた。しかし改憲を隠しての結果であり、改憲を国民が支持したことではない。議論はこれからだ。そのため、改憲勢力がどんな社会をめざそうとしているのか、自民党改憲草案の中身を一つ一つ市民に伝え、ともに考えたい。さっそく、私が発行するニュースの8月号から、自民党憲法改正草案批判のシリーズを始めた。これが地域で民主主義を実現する自治体議員の最大の役割だと思う。
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