2016年10月28日発行 1450号

【フェアコープ奮闘中 福島とも顔の見えるつながり】

 この間、二度にわたって福島に行く機会がありました。

 一度は、福島から東京近郊に避難されている方と地元いわき市で生活する方の交流会への参加、二度目は「月桃の花」歌舞団の『ガマ人間あらわる』福島公演での出店でした。

 いわき市で行われた交流会には、東京の各地に避難しているご家族ややむを得ず地元に戻っている方々、それをつなぐボランティアスタッフが参加していました。この中にフェアコープの野菜を定期購入されている方がいることが縁で私に声がかかったのですが、この場に参加して、改めていろいろなことを知ることができました。

 放射能被害のことを口にすることがはばかられる雰囲気の蔓延、やむを得ず戻ったが健康への不安の拡大、そして区域外避難者に住宅支援の打ち切りと退去の圧力がかけられている実態―などなど。思いのたけを語る方々との話は深夜にまで及びました。

 また、歌舞団公演ではロビーで商品の販売を行いましたが、私の予想を大きく超える来場者があり、多くの方が公演終了後の感想交流会にも残る場面を見て、内に秘めた思いを持って参加されているという感慨を持ちました。もちろん私はフェアコープの事業が福島の人びとの生活に少しでもお役に立てればとの思いで参加してきたわけですが、これらの機会を通じて顔の見えるつながりを作ることができたことは大きな手掛かりとなりました。

 さて、連続して台風に襲われた北海道や九州、四国では大きな被害が報じられ、野菜価格の高騰を嘆く声が寄せられました。フェアコープでも野菜が届かずイベントを中止せざるを得ないことも起こりました。東京では築地市場の豊洲移転が大きな問題となり、TPPの承認も国会で審議が始まっています。いろいろな形で食の安全が脅かされる状況が進行しています。

 フェアコープ関東では新しく毎週金曜日に定点販売を行える場所が確保でき、週3回の販売会が定着しました。地域に根をはり、多くの人との出会いを作っていくことがフェアコープ成長の道だと思います。安全なものを求めている人が少なくないことが支えになっています。

 また、私も実行委員となった沖縄映画『標的の村』の上映会が地元でありました。代々木公園の大集会にも参加しました。どちらも沖縄物産をそろえた販売ブースでは商品が完売状態となりました。こうした運動とのコラボも引き続き強化していきたいと思います。

 10月から阿部さんのお米の新米をお届けできます。日本の農業を守るためにも、まじめに米作りを続ける生産者を応援することはフェアコープの使命です。ご注文をお待ちしています。

  (東京事業所 佐々木透)
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