2017年01月20日 1461号

【イラクと日本 戦争犯罪人が居並ぶトランプ新政権 米国民衆と連帯し戦争屋一掃へ】

 1月20日、ドナルド・トランプが米国大統領に就任する。新政権には、イラク侵略戦争をはじめ中東軍事介入を推進してきた戦争犯罪人たちがズラリと並ぶ。

国防長官は虐殺者

 まず、トランプ大統領(肩書は1月20日以後、以下同)。2002年のラジオ番組で「あなたならイラクに侵攻する?」と問われて「するだろうね」と答え、翌年のイラク侵略戦争支持を公言した。

 ペンス副大統領は、共和党内の右翼草の根運動であるティーパーティー(茶会)運動に参加し、イラク戦争開戦の連邦議会決議を支持した。最大の選挙資金提供者は、イラク占領軍に大量の民間傭兵を供給し多くの市民を射殺した悪名高いブラックウォーター社の創設者だ。

 ティラーソン国務長官は、イラク占領で巨大な石油利権を得たエクソンモービルの会長兼最高経営責任者。

 バノン主席戦略官兼上級顧問は、元海軍将校でゴールドマン・サックスを経てネオナチ思想を扇動する「プライベート・ニュース・ネットワーク」会長となった。共和党内からも「極右の人種差別主義者がホワイトハウス入りした。警戒が必要だ」と危険視される。

 フリン国家安全保障補佐官は、元国防情報局長官、元陸軍中将。イラク占領時には、虐待や拷問で得た情報を元に民家への襲撃や先制攻撃作戦を展開。民間人犠牲者を急増させた。イスラム教を「宗教を隠れ蓑にした政治的イデオロギー」「がんだ」と敵視する。

 ポンペオCIA(中央情報局)長官は、ティーパーティーの支援を受けて2010年に下院議員に初当選した。イラク戦争時のCIAによる「水責めなど過酷な尋問」=拷問を中止したことに強く反対している。

 トランプに「狂犬」と紹介されたマティス国防長官は、CENTCOM(アメリカ中央軍)の元司令官だ。2001年のアフガニスタン戦争に参加し、「(イスラム武装勢力を)敵にするのは死ぬほど愉快でしたね。いや、面白すぎると言ってもいい」と言い放った。2004年イラク・ファルージャ虐殺作戦では、5千人以上の市民を殺害する陣頭指揮に立った。

 この新政権との連携を狙い、トランプ当選後いち早く単独会談したのが安倍首相だ。イラク戦争を真っ先に支持し自衛隊派兵を推進した安倍は、この戦争屋たちとともに戦争政策を加速させようとしている。

1・20全米でノーの行動

 戦争屋たちが居並ぶトランプ新政権への反撃はすでに始まっている。

 イラク戦争に従軍させられたIVAW(反戦イラク帰還兵の会)のコープランドさん(2016年全交に参加)は、民衆にヘイトをあおるトランプに抗議し、ニューヨークのトランプ・タワー前で「ヘイトに反対する帰還兵」の抗議行動を展開している。

 反戦団体コードピンク(創設者の一人メディア・ベンジャミンさんが2002年全交に参加)は、「1月20日大統領就任式には、素晴らしい騒ぎを起こそう。ワン・ビリオン・ライジング(One Billion Rising、女性への暴力反対の意思表示運動)のダンスをし、壁ではなく橋を、憎しみではなく愛を、戦争ではなく平和を求める声を上げる」とアピール。21日には20万人規模のワシントン女性行動を呼びかける。

 市民の全米抗議デモは、100万人以上の規模とまで予想されている。

 トランプ新政権の危険な戦争政策を暴き、世界の民衆の力で一掃しよう。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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