2017年01月20日 1461号

【反響呼んだ「映像&歌&トークのつどい 沖縄・福島のいま」 3月郡山駅前でまつり開催】

 沖縄と福島をつなぐ取り組みが福島県郡山市でも動き始めた。12月23日「映像&歌&トークのつどい〜沖縄・福島のいま〜」(主催―沖縄 福島をつなぐ実行委員会ふくしま、「月桃の花」歌舞団)が開催され、大きな反響を呼んだ。主催者の一人、塚原広さんに報告を寄せてもらった。

報道されない真実

 2016年12月23日(金)、郡山市労働福祉会館中ホールで上映会、交流会を行った。

 冒頭、「沖縄 福島をつなぐ実行委員会ふくしま(以下、OFC)」より次のようにつどいの趣旨・目的を説明した。
―3月26日(日)に開催する郡山駅前広場での「沖縄・福島まつり」は、17世紀にさかのぼる歴史的な繋(つな)がりのある、じゃんがら念仏踊りとエイサーを中心にしたまつりになる。その前段企画として「沖縄・福島のいま」と題し、現状と報道されない真実を知ってもらい、そして同じ想いを共有したい、とつどいを企画した―

 第1部は「福島のいま」。3・11後に原発周辺の町の写真を撮り続けてきた福島県三春町在住の写真家飛田晋秀さんの講演で始まった。

 飛田さんは、帰還困難区域とされた現地の人びとの話を聞き、放射線量の高い地域だが自分がやるしかないとの思いで撮影を始めた経緯から切り出した。現地の写真を示しながら、想像以上に深刻な状況にあること、真実を認めたがらない行政や国側の対応のおかしさについて話された。

 次に、甲状腺がんの手術を12月1日に行ったばかりという、福島市在住の大越良二さん。NPO活動をしながら患者としての真実や状況を訴えている。差別が声を出しにくくしている中でも、差別を恐れずに声を出し続けていく想いを語られた。

 また、3・11以降、若い母親の放射能や食への不安について相談を受け、西日本の野菜マルシェを続けている「3a!in郡山」の野口時子さんが報告した。この6年間の経緯とともに、福島県議会議員に対し、「甲状腺検診」について規模の縮小ではなく検診の維持を求め、学校検診の重要性を明記した要望書を提出したこと、若い母親たちの参加や行動で変化があること等も述べられた。

 第2部「沖縄のいま」は、映画『いのちの森 高江』の上映から始まった。上映後、沖縄国際大学の平和学元非常勤講師の西岡信之さんより、短時間ながら沖縄の現状が簡潔に解りやすく話された。返還された北部訓練場の土地は米軍にとってもともと使えない土地であったことが強調され、沖縄の制空権の問題についても質問がされた。

協力者をさらに

 第3部では、「月桃の花」歌舞団を紹介し、OFCが今後、歌舞団の県内公演をバックアップしていく方針であることを説明。神子幸恵団長が自己紹介を兼ねて歌舞団エイサーを実演し、会場全体で『ダイレクト』を合唱した。OFC事務局としては、会館の会議室という性格上、音の大きさに冷や汗ものであったが結果オーライであった。

 最後に、3月26日の「沖縄・福島まつり」の準備状況の報告と訴え。すでに、湯本温泉青年会有志のじゃんがら会、「月桃の花」歌舞団エイサー隊、ラジオ福島のパーソナリティーで歌手の普天間かおりさんの出演が決まっている。郡山市といわき市の後援(予定)をもらって開催したい。OFCの企画をみなさんの要望によって膨らませていきたいと協力をお願いして、つどいは終了した。

 来場者約70名、スタッフ25名。講演者はみな短時間で話す苦労が大変だったと思うが、上手にまとめられ、初めてのイベントとしては充実した上映会、交流会となった。スタッフ全員に感謝する。

 アンケートでも「福島の知らされていない事実の多さに驚いた」「無知だった。勉強になった」「自分は高江(沖縄)のために何かできるかなと考えさせられた」等の意見があり、有意義な内容だったと思う。

 3月のまつりに向けて、さらに協力者を広げていきたい。

(OFC共同代表 塚原広)



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