2017年06月09日 1480号

【山城博治さんと語る会発言要旨 共謀罪にも基地建設にもしなやかに、持続し勝利を】

 基地建設反対の運動の中で不当逮捕された沖縄平和運動センター議長山城博治さん。不当長期勾留から釈放され、いま全国を回り、さらなる運動づくりに奔走している。山城さんが大阪市内で開かれた「語る会」(5/21)で支援者に訴えた内容を紹介する(まとめは編集部)。

 5か月の勾留の間、全国から多くのハガキや手紙が届いていたが、保釈の朝、初めて渡された。山のようなハガキ、手紙を見て感激しながら読んだ。ずっと見せなかった奴らに怒りがわく。

 現場に立ちたい、戻りたい。その一心だ。だが厳しい接見禁止条件がついた、誰それに会うな、と。結局戻れない。いら立ちも覚えるが、その間、全県、全国へ、沖縄への支援、共謀罪反対のメッセージを語る機会としている。どんな状況であれ、めげずに、団結を強め頑張っていこう。必ず奴らを倒すチャンスはある。

 安倍の奴らは許さん!

「隣の人の名を言え」

 さすが大阪。「わたしたち毎日、共謀してるからね。楽しいのよ」との会話を聞いた。私たちは、奴らの言う「共謀罪」という罪を犯すわけではない。平和をつくり、原発を止め、差別や抑圧をなくす協議・共謀をこれからもしようじゃないですか。

 勾留中は、人に会わせない、手紙を読ませない。窓はすべて封印。主治医にも会わせない。「素直に白状すれば、すべて望みはかなえてやる」と言わんばかりだ。私たちは、血のにじむような努力を、ここ20年来辺野古の浜で、高江の森で、続けてきた。たとえ奴らに自由を奪われようが、くじけるわけにはいかない。再び、あの地獄のような戦争を繰り返すのかとの思いが走ると、負けるわけにはいかない、そんな思いが募った。

 (奴らは)共謀の話をいっぱいしてくる。「お前の隣にいるのは誰だ。映像に写っているのは誰だ。名前を言え。大阪から来ているのはわかっている」。こんな話ばかり。「わかりません。黙秘します」と逃れるしかない。

 いま、現場の状況をみると、現行法では実行犯を中心に捕まえるから、共謀があっても、何らかの実行がなければ捕まえられないが、これからは話をしただけで共謀になってしまう。写真を見せる。この人だれかと聞く。名前を言った瞬間、君の話を聞いて拍手した、共謀だろうとなる。

 共謀するだけでは罪にはならないと言うが、任意取り調べが可能だ。島袋文子さんも任意取り調べを受けている。話しただろうと任意取り調べされたんじゃ、みんなつながってしまう。そんな時代がくる。ぜひ、共謀罪を止め、暴走する政府を止めよう。

 辺野古の海は、埋め立てが始まったと報道されている。私たちの気持ちを折るためにポーズをしているようだ。

 石を積み上げ護岸を造り、中に土砂で埋めると言うが、土台無理だ。山の上から流れてくる美謝(みじゃ)川をどうするかもまだ決まっていない。埋め立てた瞬間、山からの水で埋立土砂が流れてしまう。稲嶺市長が水路管理者だ。水路管理者が了解しないとできない。

 海は、サンゴ礁の深い海だ。土砂を埋めた瞬間、サンゴ礁が崩壊し、埋めた土砂が沈んでいく。海底は空洞になっているのではないか。計画の大幅な修正が必要だそうだ。翁長知事がいる限り、修正を認めることはない。翁長知事と稲嶺市長を取り換えないかぎり、最終的には土砂埋め立てはできない。それを信じて、仲間たちとともに、座り込みを続ける。続ける中で、活路が開ける時期を待とうと思っている。

知事、市長を支え

 翁長知事に、早く撤回せよと焦る声も届いているが、現場としては、スクラム組んで頑張る。頑張り続けることで翁長知事の決意を求めていく。

 高江も暴力でやられてしまったが、ネバーギブアップ。これ以上の破壊、訓練をさせない。与那国の自衛隊基地もできた。宮古にミサイル基地が、石垣にも自衛隊駐屯基地ができるようだが、沖縄がまた基地建設の最前線に立つ。

 安倍さん。無茶苦茶やめてくれんか。それ以上やるんだったら、われわれにも覚悟がある。あなたの首を取るまで、わたしたちは闘う。そんな決意をしながら頑張りたい。

 入院中もそうだった。しなやかに生きるには笑いが必要。心が折れないために、心もしなやかであることが必要。しなやかで、ゆるやかで結構。持続できる運動。持続する魂。くじけない闘いをつくっていこう。

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