2017年10月13日 1497号
(実発行日 10月06日)

【1497号主張 市民と野党共闘の再強化で 安倍・小池の改憲阻む総選挙】

共闘破壊の克服へ

 小池都知事を代表とする希望の党ができ(9/25)、前原民進党は立候補予定者全員の公認取り消し、希望の党への合流決定で解体した(9/28)。市民と立憲4野党の共闘は重大な危機におちいった。

 しかし、希望の党への参加を拒否する議員・候補者が続出。立憲主義を掲げた新党・立憲民主党が立ち上げられた(10/2)。共産党、社民党、立憲民主党や希望の党を拒否する無所属の候補者らと市民の共闘が、各地で再び活発に動き出した。立憲主義を貫き、9条改憲に反対する勢力が熱気にあふれ前進し始めた。

 がけっぷちから共闘破壊をはね返したのは、この数年間積み上げられた戦争法反対・安倍9条改憲阻止を闘う市民と野党の共同行動の底力だ。徹夜で国会前を埋め尽くし、全国で「安倍はやめろ」と闘った力は地域に深く根付いている。この力が市民と立憲野党の共闘解体を阻んでいる。

改憲極右の二大政党

 小池・希望の党が、民進党からの合流者に踏み絵を迫る選別排除の基準は、憲法改悪と戦争法を認めること、外国人参政権付与に反対することなどだ。核武装を肯定し、関東大震災での朝鮮人虐殺も認めない小池の正体が一層あらわになった。さらに、日本維新の会と東京、大阪での立候補者すみわけで選挙協力し、極右・日本のこころの中山代表らが加入。希望の党は、野党第1党の民進党を破壊し、改憲・排外主義勢力を束ねる政党の姿を鮮明にした。小池の「改革保守」とは、米トランプやヨーロッパの極右排外主義政党と同じ思想だ。

 安倍内閣支持率は、各メディア世論調査で再び不支持が支持を上回った。憲法無視、国政私物化のきわみである国会冒頭解散を市民は認めていない。森友・加計(かけ)疑惑追及逃れを世論は批判し、支持率回復は見込めない。

 希望の党の役割は、自公両党が総選挙で議席を減らし政権を失っても、とってかわり9条改憲・戦争国家を推進するところにある。過半数までいかずとも自民党との大連立を保険≠ノ用意する。

 海外権益拡大のために派兵・戦争国家を求めるグローバル資本は、改憲極右の二大政党を手にしようとしているのだ。この野望を断じて許してはならない。

9条改憲阻止のうねりを

 10月22日投開票の今総選挙の最大争点は、戦争か平和か、9条改憲を許すか否かにある。改憲を阻み、安倍も小池もノーと市民の審判を下すことだ。小池が傲慢にも言ってのけた「排除いたします」の対象は、戦争法廃止、憲法守れの民意だ。私たち市民を排除する意図なのだ。

 安倍政権と小池・希望の党を打ち負かす展望は、その政治体質、政策に対して広範に存在する怒り、反発を組織し、一つに束ねることにある。地域の民進党員や支持者、連合組合員の中にも小池への憤りは広がっている。安倍と小池の独裁と傲慢さ、憲法無視、朝鮮半島危機をもてあそぶ好戦姿勢などに対するすべての怒りを、改憲阻止をめざす市民・野党共闘とその候補への共感に結びつけよう。

 地域から市民が全力で選挙に立ち上がるならば、安倍を倒し、改憲勢力を3分の2未満に追い込むことは可能だ。ともに闘おう。

   (10月2日)
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