2017年12月15日 1506号

【日韓交流ツアー 国境越え争議で連帯/“ハンストぐらいやれるかも”/同じ非正規労働者の闘いだ】

 11月23〜25日、なかまユニオンなどが日韓交流ツアーを行った。非正規労働者を中心とした労働組合、争議との連帯行動について、井手窪啓一なかまユニオン執行委員長に報告を寄せてもらった。

 関西からは、なかまユニオンとともに兵庫のLIA労働組合がはじめて参加した。LIA労働組合は、東リ株式会社(伊丹市)で働く請負労働者で結成された労働組合だ。2015年施行の改正労働者派遣法は、違法派遣があった場合には派遣先企業が労働者を直接雇用する意思を示したとみなすと規定。偽装請負(違法派遣)を告発し、この規定に基づいて直接雇用承諾通知を東リに提出した5人の組合員だけが3月末で雇用を打ち切られた。訪韓に先立つ11月21日、LIA労組5人が東リに直接雇用などを求める訴えを神戸地裁に起こしたばかりだった。

 24日に交流した韓国青年ユニオンのキム・ミンス委員長は、話を聞くなり「上部団体・連合兵庫に、LIA争議を支援するように要請書を送ります。韓国で支援金を集めて、LIA労組に渡してくれるように送金しましょう」と即断即決で支援行動を約束。

 25日、正規職化を求めて国会議事堂前で籠城73日の希望連帯労組ケーブル放送非正規職Tブロード支部のテントを訪問した際には、交流の後、逆に支援カンパを頂戴(ちょうだい)した。

 同じく国会議事堂近くの巨大広告塔の上に、建設労働組合組合員2人が高空籠城している現場も訪問した。建設勤労者法を改正して、退職者支援金の引き上げと、現在は自営業者扱いをされている建設機械労働者を法の対象に含めることを求めている。高空籠城とともに3万5千人の労組全力で全国一斉行動やゼネストを計画している。強風の中、「同じ非正規労働者の闘いだ」と携帯電話と拡声マイクで塔の上下でエールを交換した。去り際、塔の上でいつまでも手を振り続ける労働者の姿に胸が熱くなる。

 「高空籠城まではできんけど、ハンストぐらいならやれるかも」。LIA労組副委員長の発言だ。連帯することが、お互いを励ます。LIA争議の勝利まで、なかまユニオンも共に奮闘したい。



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