2017年12月29日 1508号

【琉球弧・東アジア すべての軍隊との闘い】

上間芳子さん(沖縄平和市民連絡会)

 12月15日、北部の本部(もとぶ)港から船で砂利が運ばれた。陸からは当初1日50台、今280台ものトラックが入る。機動隊を多い時で100人配置し、海は海上保安庁が市民を弾圧する。

 辺野古は週1〜2回は搬入を止めている。200人が座り込めばトラックは入れない。海上輸送が始まったのはゲート前行動が政府・防衛局の邪魔になるから。2年余り座り込んだ闘いの成果だ。港の使用権問題で県民と翁長知事の間に楔を打ち込む狙いもある。

 工事は進んでいるように見えるが、K9護岸を100b形式的に伸ばしたにすぎない。1回50台分の海上輸送は朝トラックが100台入るのに比べ効率が悪い。冬は波が荒く使えない。2本の活断層が大浦湾に伸びており、大きな落ち込みの存在は防衛省も認めざるを得なかった。

 辺野古新基地建設に1兆円。機動隊や海上保安庁の動員費も国民の税金だ。辺野古、キャンプ・ハンセンを日米共同使用し、奄美・沖縄・宮古・八重山に自衛隊を配備。琉球孤すべてへの軍隊との闘いだ。

 今回初めて岩国・横田に行った。普天間は世界一危険と言われるが、岩国や横田も変わらない。なぜ岩国・横田で座り込みがないのか。しかし、沖縄で座り込みが始まったのはオスプレイ配備後のこと。去年20歳の女性が殺害され、オスプレイ墜落。その1周年行動の企画中に保育園に落下物。学校にヘリの窓枠が落下した。これが沖縄の実態だ。

 誰一人諦めてはいない。辺野古を止める権限が翁長知事、稲嶺名護市長にはある。知事と市長を支え、アジアの人と連帯し、未来の子どもたちを守る「風(かじ)かたか」になる。

民主主義と民衆の力を強めよう

ユ・ミヒさん、ビョン・ヒョンジュさん(軍縮平和韓日共同行動)

 12月10日沖縄に入り、広島、東京を訪れ、東アジアの過去、現在、未来≠見た。

 過去は、戦争の残酷な痕跡、それは、すべての民衆の死、大きな墓場のようだ。

 現在、不幸な過去にもかかわらず軍事基地で絶え間なく事故が続き、戦争を誘発し、生活が破壊されている。

 未来は、平和を願い闘う住民のみなさん。その闘いに東アジアの平和と未来を見た。

 一度基地を引き受けてしまうと永遠になくならない。戦前は日本軍、戦後米軍、また日本軍。戦争の傷跡を国家による空間でなく民衆による平和の空間としていかなければならない。平和を守るためには、民主主義、民衆の力が強くなることが必要だ。辺野古・高江で希望を捨てず闘っていることに感動し、希望と力をもらった。

 韓国の闘いの現場を訪ね、メッセージを預かってきた。

 密陽(ミリャン)は原発の電気をソウルに送る超高圧送電塔に反対し、12年闘っている。共同体は破壊され、苦しむが、決して諦めず、謝罪を要求している。脱核闘争の先頭に蜜陽と福島が立っている。

 済州(チェジュ)では10年にわたり、カンジョン韓国海軍基地と闘っている。諦めず平和センターの中心として軍艦を監視し、抗議闘争を継続している。

 星州(ソンジュ)の高高度迎撃ミサイルTHAAD反対闘争。365日1日も欠かさずキャンドルで抵抗。住民は沖縄や京都府の経ヶ岬(きょうがみさき)の米軍基地反対闘争のことを知った。離れてはいても、戦争と軍国主義に反対する心をともにしていく。

 韓米日の軍事同盟に反対し、日本の平和憲法を守り、平和な東アジアをつくるため頑張りましょう。
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