2018年06月08日 1529号

【イム・スンブンさん みんなで闘えば勝利 サード撤回星州住民対策委員会副委員長】

 私はソソンリで40数年農業を営んでいる。ソソンリは典型的な田舎で、住民の90%が農民、70%が老人だ。

 この平和な村に去年4月、突然サード・ミサイル発射台2基が運び込まれた。聞いたことも見たこともなく、どんなに危ないものか、説明会を通じて初めて知った。配備の時、すごい音に住民が飛び出すと、村は警察官数千人に取り囲まれていた。「戦争をすすめるサードはだめだ」と泣きながら訴えた。しかし、警察は情け容赦なく暴力をふるい、数十人が負傷。私自身も深刻な怪我を負った。

 文在寅政権になり、何か変わると期待したが、裏切られた。9月、サード4基の搬入に対し、互いの体をロープでくくって阻止しようとしたが、強行された。住民のストレスは重なり、健康被害は深刻だ。あるおばあさんは、眠っていて「あーっ、サードが入ってくる」と靴もはかず道路まで走っていき、誰もいない夜道に立ち尽くすこともあった。別のおばあさんは、警察のサイレン音に飛び起きたが、実は時計の音だった。不安と恐怖は限界だ。畑仕事をしないといけないが、勇気を失わず、支援を訴え闘い続けた。

鉄パイプに体を縛り

 今年、4月12日の搬入時は住民が勝った。鉄パイプで自分たちの身体を縛りつけ、網をかぶり、十数時間もこらえた。トイレにも行けず、一部にはおむつをつけた人も。その日は勝利できた。

 ところが23日夕刻、配備強行。私が村の放送で訴え、85歳のおばあさんも雨の中スリッパのままかけつけた。数百人の警察に取り囲まれ、青ざめ震えていた。彼女を抱きしめ一緒にとめどなく泣いた。

 今回、日本から招待された時、怖くて身体が震えた。でもサードだけは止めなければと、韓国の各地にも出向き、日本まで来ることになった。

 今回、辺野古の闘いや広島の惨状を学び、韓国・日本が連帯して大きな声をあげなければならないと強く思った。韓国のことわざに「白紙一枚でも力をあわせると楽だ」とある。1人より2人、2人より10人。みんなで一緒に闘えば、朴槿恵を引きずり下ろしたように勝利できる。巨大な怪物サードを根こそぎ引き抜き平和を植えるために、連帯して闘いましょう。



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