2018年11月16日 1551号

【明るく楽しく また来たくなる闘いを/沖縄平和運動センター議長 山城博治さん】

 沖縄県知事選の勝利が喜ばれているが、なぜそうなったのかを心にとめる必要がある。

 名護・石垣・沖縄市長選と続けて敗れたとき、マスコミは「『オール沖縄』はもう解体だ」と言った。自公は「勝利の方程式」だとほざいていた。今回の選挙で創価学会は7千人を、自民党も百人の国会議員を送り込んだ。もしかしたら、危ないかも知れないと思ったが、勝った。

 これは、どう考えても翁長雄志(おながたけし)前知事の誇りを持った壮絶なメッセージが県民の心を動かし、背中を押したとしか考えられない。翁長さんは7月27日に命をかけて辺野古埋め立て承認撤回を表明し、わずか12日後に亡くなった。その間、発信し続けたメッセージ、国に抗い命をかけて沖縄を守る思いに県民は奮い立ったのだ。自民・公明支持者からも3、4割以上がこっちに流れたという。

 選挙終盤、翁長さんの妻樹子(みきこ)さんも動き、語りだした。27日の記者会見のとき、翁長さんはほとんど歩けなかった。朝出かけに「30分も立っていられるだろうか」と言ったとき、樹子さんは「神さま、残りの命はいりません。夫にあと30分の時間をください」と祈ったそうだ。地元紙がこのエピソードを流した。

 翁長雄志というかつてないリーダー、言葉で魂を動かす政治家を失った。歴史の中で彼を語り継いでいきたい。そして、その遺志を受けとめ頑張る新しい玉城デニー知事に声援を寄せてください。

 国交省と防衛省による茶番劇で工事が再開され、いよいよ土砂が来るのかという一番の局面を迎えた。11月1日にも船が来るはずだったが、本部町(もとぶちょう)が港の使用を認めないという奇跡のようなことが起こった。台風で岸壁が壊れ修理できないが理由だ。

 ゲート前で現場で、ゆるやかで、しなやかで、したたかな粘り強い闘いを続ける。明るく、楽しく、歌いながら、踊りながら、どんなに機動隊の暴力にさらされても、明日も来たいと思う集会や行動をやる。それが庶民の闘い。正義は我らにある。安倍たちにはないんだ。

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