2018年12月28日 1557号

【12.9〜16/ZENKO集会/基地建設と闘う日韓市民集う/武器なき平和へ連帯築く/土砂投入に抗議声明発す】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が呼びかけた「東アジアに平和を!武力なき平和のためのスピーキングツアー」は、韓国ソソンリの米軍THAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)基地建設と闘うカン・ヒョヌクさんを迎えて、12月9〜16日、横浜、札幌、那覇、広島、大阪を巡回した。

 ツアー最終日の16日、300人が参加した大阪集会では冒頭、日本政府による沖縄・辺野古への土砂投入を糾弾し、土砂投入即時中止、新基地建設中止を要求する抗議声明が決議された。

 辺野古や岩国の状況を見たカンさんは「『連帯』は闘争の方法ではなく、共に生きる道であり目標だ。今回の日本政府による土砂搬入は『連帯』を断ち切ろうとする行為だから、徹底的に抗議していく必要がある」とエールを送る。

 ソソンリ現地の闘いについて、今年9月の青瓦台(チョンワデ)(大統領府)前での野宿闘争以降の動きを報告。「国民が絶え間なく声を上げ続けることで、たとえ小さな声であっても、平和政策を政府に進めさせることができる」と語った。

 「10月末の青瓦台への申し入れ行動で、(1)米軍は油類の陸路搬入しない(2)住民との協議なしに基地工事はしない、などを韓国政府と確認しました。それにより、米軍は今も油類をヘリによってしか搬入できず、サード基地建設の進行を大きく妨げています」

 ツアーのテーマであった武力なき平和について「武器は、私たち(国民)にご飯を食べさせてはくれない。政府は、武器をつくるんじゃなくて、ご飯をつくれ!と言い続けていこう」とまとめた。

さまざまな闘いで

 日本でのさまざまな行動が応える。中でも、街頭や戸別訪問で署名を集めてきたZENKOメンバーの報告は、共感を呼んだ。

 「全戸訪問は、生活の場から民主主義を進める取り組み。主権者として声をあげ、“市民の力で変えよう”と訴えを拡げ、来年春の市議選勝利をめざし、地域を変えるために頑張っていく」「一軒一軒ドアノックして出会い、話ができることで、地域に暮らす人々の顔・思い・悩み・エネルギーが一つ一つ私の中に入ってきて、それが心地よくて、自分が肥え太っていく感覚が生じてうれしいと思えるようになっています」

 その成果が、安倍9条改憲NO!署名3万2870筆、東アジアの平和を求める署名6969筆だ。

 20年以上、強制動員被害者と共に闘ってきた「日本製鉄元徴用工裁判を支援する会」中田光信さんは、韓国大法院判決についてカンさんが紹介した「日本が種をまいて韓国で花開いた」との評価を受け、「徴用策は安倍の祖父岸信介がつくった。今、孫の安倍が同じ構造の技能実習制度を延長する入管法改定を強行。これと闘おう」と強調した。

 大阪朝鮮高級学校オモニ会の洪貞淑(ホンジョンスク)会長と高己蓮(コウキリョン)副会長は、「『高校無償化法』から朝鮮学校のみが排除されている現状は、日本も締約している『子どもの権利条約』に違反しており、自己のアイデンティティーをかけて最高裁闘争を闘っている」と、裁判闘争への連帯が訴えられた。

 来年の地方選挙に挑戦する滋賀県大津市、枚方市、大阪市城東区の予定候補も登壇、激励の拍手を受けた。

 集会後、参加者はカンさんとともにデモに出発。「安倍ヤメロ」とコールし、揺るぎない「連帯」を形にした。



ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS