2019年04月05日 1570号

【さようなら原発全国集会に1万人/フクシマ切り捨てNO!/原発推進の安倍にNO!/経産省前テント・淵上太郎さん追悼】

 「さようなら原発全国集会」が3月21日、東京・代々木公園で開かれ、1万人が参加した。

 第1部のライブでは、在日コリアン二世の李政美(いぢょんみ)さんが『ああ福島』『奪われし野にも、春は来るのか』などを熱唱。『ああ福島』は福島原発告訴団団長の武藤類子さんが作詞し、土井敏邦監督の最新作『福島は語る』の挿入歌にもなった。『奪われし…』は日本の植民地統治下の朝鮮で作られた李相和(イサンファ)の詩をベースにしている。

 第2部で主催者あいさつしたルポライターの鎌田慧さんは「悲しいお知らせがある」と切り出し、経産省前テントひろば代表の淵上太郎さんが前日朝に亡くなったことを伝えた。「最期まで原発つぶすぞと張りきっていた。一日も早く原発を廃炉にし、原発のない安心して暮らせる社会にするために、私たちも力を尽くして頑張っていきたい」

 フクシマからの訴えが参加者の心にしみ入る。

 福島原発告訴団の人見やよいさんは「原発事故は終わっていない。『事故から8年』ではなく、今も放射性物質はもくもく出ている。それなのに復興・帰還政策が推し進められ、被害があるという声、不安に脅える声は『風評』『福島差別』と言われる。とても理不尽」と話し、モニタリングポストを撤去するな、汚染水を海に放出するな、汚染土を全国の建築に使うのはおかしい、9月に出る判決で必ず有罪をかちとれるよう署名に協力を、と呼びかけた。

 避難の協同センター世話人の熊本美彌子さんは「統計不正が問題になっているが、公衆被曝限度の数値も事故前の毎時0・114マイクロシーベルトから事故後0・23マイクロシーベルトと倍になった。屋内に避難すれば放射線量はカットされるからという。大地震で揺さぶられた家屋がどうして放射能をカットできるのか」と問い、「区域外避難者には『見せしめ』の政策が採られている。2年前の住宅無償提供打ち切りに続き、この3月で国家公務員宿舎から退去を迫られ、民間住宅への家賃補助も切られてしまう。70世帯がまだ行き場が決まっていない」と支援を求めた。

 フクシマと並んで切り捨てられている沖縄の声を届けたのは、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの外間三枝子さん。「さようなら日本、と沖縄から言いたい。ジュゴンが殺された。翁長知事が殺された。殺したのは誰か。『沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある』と政治家が公言する破廉恥で残虐な国。自己決定権を取り戻すために黙っているわけにはいかない」

 集会後、渋谷と原宿の2コースに分かれて休日の繁華街をデモした。



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