2019年04月12日 1571号

【2019子ども全交inおおさか/フィリピンの子どもと共に遊びつながった/沖縄、朝鮮の今を知る分科会も】

 自然が好き、友だちが好き、平和が好き=\子どもたちの自主的活動と共同の子育てをめざす子ども全国交歓会。3月23〜24日の「2019子ども全交inおおさか」では、フィリピンの子どもと一緒に泊りがけで遊び交流するプログラムととともに、沖縄、朝鮮半島の今を知る大人分科会も行われた。子ども全交関西事務局の高松昌子さんに報告を寄せてもらった。

 今年も大阪府羽衣青少年センターには、幼児から大人まで、サポーターの人たちもあわせて50人が集まりました。

 毎年、みんながドキドキ楽しみにしているのがフィリピンのゲスト。子ども全交とは20数年のお付き合いがあるアバカダ(マニラ貧困層の子どもたちの就学援助施設)から、ソフィアさん(10歳)と4回目の参加となるジョナルド先生(26歳)を迎えました。

「もう友だちだから」

 ソフィアさんは、エンディングセレモニーで「1日目はとても寒くてショック。2日目、初めて友だちになりました。私にすごくほほえんでくれました。3日目、いっしょに遊んだりしゃべったりできて、とてもとてもうれしいです。もう日本の子どもと友だちだから」。こう感想を語るとき、涙が溢れました。

 ソフィアさんのそばにずっと付き添ってくれたあやかさん(高2)は福島原発事故からの避難者ですが、サポーターとして子ども全交の取り組みにかかわってもう数年になります。「去年は緊張して全然会話ができなかったけど、今年は通訳の人みたいに話せたら楽しそうだなあと思って、積極的に話しかけることができて良かった。またフィリピンに行ってソフィアにも会いたいし、来年もフィリピンから子どもが来るなら仲よく話したい。たくさん経験をさせてもらっている」と言います。しっかりと、日本の子どもとの橋渡しをしてくれました。

 ジョナルド先生も「子どもたちは本当にフレンドリーでソフィアに仲良く接してくれた。こうして平和と友情を広げていきましょう」と交流できたことを喜びます。「ソフィアに教えてもらった餃子はシューマイみたいで、フィリピンではこんなふうに作るんだな。一緒につくって、とてもおいしかった。また来てほしいな」「異文化交流を楽しみにしていた。6歳の息子が、言葉はわからないけどだいたいでわかる、と2人でおしゃべりを楽しんでいた。最高です」との感想もありました。

 私たちは、沖縄、朝鮮学校の子どもたちと一緒に、韓国ともつながって、秋にアジアはともだち!≠テーマに子どもコンサートを続けています。顔の見える関係を築いていくことが大切、子どもたちの平和な未来を守るために、との思いからです。

平和な未来へ学習も

 大きく動いている沖縄、朝鮮半島の今を知ろうと、大人たちは子どものプログラムと並行して分科会を持ちました。分科会では初めて取り上げるテーマです。平和と生活をむすぶ会の豆多敏紀さんに「今、沖縄と朝鮮半島で起こっていること―植民地支配の清算と克服への激流」と題して話してもらいました。2月、辺野古県民大行動に参加された方からの報告も聞きました。

 政府が言っていることや報道されていることが正しいとは限らない、真実をしっかり見ていく、市民が決めていいんだ、いい方向に変えたらいいんだ、と納得しました。「自分は分からないままだったことがよく分かった」「学びを重ね、アジアの人たちと顔の見える関係を築いていくことが大切」と学習を継続していこうと確認しました。

 今年は国連子どもの権利条約採択30周年ですが、日本は「子どもたちの最善の利益」(第3条)とはほど遠い状況です。子育てを分かち合い何でも相談できる居場所(「つくる・食べる・しゃべる―親子広場」)づくりや、原発避難者と一緒に楽しみ交流する夏のキャンプなど、子どもも大人も安心してよりよく生きられる社会をめざす取り組みをすすめたいと思います。



ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS