2019年05月03日・10日 1574号

【1574号主張 自民2敗、沖縄へ続け/対案を鮮明に掲げ安倍打倒へ】

安倍政権に痛打

 衆院沖縄3区、大阪12区の補欠選挙(21日投開票)で、自民党はどちらも負けた。

 沖縄3区では、オール沖縄が推す屋良朝博候補が、辺野古埋め立て強行・土砂投入や米兵犯罪への怒りを集めて自民候補を圧倒し、新基地建設ノーの民意を力強く示した。大阪12区は、維新の会候補が当選したが、市民と野党共闘の候補(宮本岳志日本共産党前衆議院議員)が実現し、6党会派の国会議員、市民連合など広範な人びとが応援に入り、選挙共闘を前進させる財産を手にした。

 政権与党有利と言われる国政補欠選挙で自民2敗は10年ぶり。異例の事態であり、安倍政権に痛打となった。安倍の民意を踏みにじる横暴、ウソを重ねて政治を私物化し、戦争国家づくり・生活破壊を続けることにうんざりしているのだ。選挙戦のさなか、消費増税の延期を安倍首相側近が口にしたことは、民意の反発を恐れているからだ。沖縄の勝利、大阪での共闘実現は安倍退陣を求める全国の人びとを励ましている。

市民の闘いを背景に

 大阪12区や北海道をはじめとする自治体首長選で市民と野党共闘が実現しながら、勝利に結びつけられていない現実がある。なぜか。それは沖縄のように、市民の闘いを背景に候補者選びがなされていないからだ。闘いの課題、生活感に根差した変革のための政策確立、訴えが無党派層に浸透しきれないのだ。

 野党間の主導権争いが続き、そこに官邸や与党からの分断策動がかけられ、統一候補が決まらない。地域では、市民運動との連携がない野党議員の与党化が進行し、明快な対決姿勢を取れない実態がある。

 そのため安倍政治に取って代わる政策、展望を示せずにいる。世論調査で安倍政権支持の理由に、「他に適当な人がいない」があげられているように、あきらめ感を払しょくする明解な対抗軸と変革の展望が必要なのだ。

 安倍政権が補選敗北の挽回をにらみ、7月衆参同日選に踏み切るのではとの観測が現実味を帯びはじめている。野党幹部たちは、ようやくここにきて、「(沖縄は)野党連携のモデル」「野党の候補1本化を急ぐ」と口にしだした。運動の力で困難な局面を打開するチャンスとしなければならない。

民主主義的社会主義を

 参院1人区はもとより、衆院小選挙区でも、統一候補の擁立を急ぐ必要がある。さらに地域からの運動強化で、安倍政治に取って代わる政策をつくり、変革の対決構図を鮮明に示していくことだ。これが沖縄に続く道筋だ。

 手がかりはある。地方選の中で私たちが推した候補は、生活悪化・貧困格差拡大の現状に対し、財源(富)の再分配を訴え、教育無償化、若者手当、介護・社会保障拡充などの政策に支持を集めた。軍事費拡大や社会保障削減ではなく、市民生活に財源を回せと運動に取り組んでいる。新自由主義に代わる民主主義的社会主義の政策が求められている。これは世界的潮流だ。安倍政治への対案を地域から積み上げ、安倍打倒へ進もう。東京・足立区議会選挙(5月19日告示−26日投票)に勝利し、7月参議院選挙を闘いぬこう。

  (4月22日)
ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS