2019年05月17日 1575号

【全国各地で憲法集会/憲法でなく政権変える/東京6万5千人が改憲NO】

 5月3日、初夏を思わせる陽気の中、東京臨海広域防災公園で「平和といのちと人権を! 許すな!安倍改憲発議 5・3憲法集会」が開かれ、昨年を上回る6万5千人が集まった。憲法ではなく政権を変える―正念場の闘いへ弾みをつけた。

 司会は講談師の神田香織さん。「異様な改元騒ぎ。その陰で何が進行しているか。じっくり想像し、手を打っていかなければ」とクギを刺す。集会実行委員会を代表して高田健さんが「あと1か月半の通常国会で改憲発議させず、参院選32の一人区で野党一本化を実現し、改憲派3分の2獲得を打ち砕く闘いの出発点にしよう」と力強くあいさつ。立憲民主・国民民主・共産・社民・沖縄の風の4党1会派の代表が壇上で手をつなぎ、歓声に応えた。

 メインスピーチで、「辺野古」県民投票の会代表の元山仁士郎さんは「圧倒的な反対の民意に関わらず埋め立て工事は続く。岩屋防衛大臣は投票結果が出る前に『工事は進める』と明言。この国の民主主義とは何なのか」と語気を強める。高山佳奈子・京都大学教授は『風の谷のナウシカ』のコスプレ姿で登壇。「自民改憲案4項目の(1)教育の充実は憲法26条、(2)合区解消は47条、(3)緊急事態は災害対策基本法105条1項『緊急事態布告』で十分だ。(4)2章『戦争の放棄』に自衛隊を入れると、1章の天皇と2章の自衛隊が並び、三権から独立した存在になる。荒唐無稽な改憲は許せない」と改憲の不当性を指摘した。

 多様な課題のリレートークが続く。東京朝鮮中高級学校生の「無償化排除・高裁不当判決に悲嘆の涙にくれたが、私たちは負けない。なぜなら私たちの尊厳を守る闘いだから」の訴えと澄んだ歌声に、会場は静まり返って聞き入った。福島原発告訴団団長の武藤類子さんは、「資料は見ていない」「報告は聞いていない」と責任逃れする東京電力旧経営陣に怒りをぶつけ、9月19日の判決公判への参加を呼びかけるとともに、「国家公務員宿舎71世帯の避難者に3月31日までの退去と退去できない場合の家賃2倍支払いの通告。追いつめられた避難者が心配だ。避難者を切り捨て、みせかけの復興五輪にお金を使うアベコベの社会を元に戻そう」と訴えた。

 終了後、2コースに分かれ、赤青緑黄4色のプラカードを掲げて市民にアピールした。

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