2019年05月24日 1576号

【ベネズエラ 手遅れにならないうちに行動を起こそう アバウト・フェイス(反戦帰還兵の会)がアピール】

 緊迫を強めるベネズエラ情勢。米国内そして世界から米国は軍事介入するな≠フ声が上がっている。旧IVAW(反戦イラク帰還兵の会)を継承し2018年に発足したアバウト・フェイス(反戦帰還兵の会)は軍事介入阻止の行動を呼びかけている。5月3日に発信されたアピールを紹介する。

 この2週間、事態はめまぐるしく動いた。帰還兵のリーダーたちは全米を縦横に動き回り、軍産複合体についての研修を実施し、ベネズエラでもくろまれたクーデターへの支持を撤回するよう連邦議会議員たちに圧力をかけ、歴史上重要なハイランダー・センター(テネシー州にある米国南部労働運動・公民権運動の研究教育センター)で3月末に起きた不審火の被害救援をおこなってきた。

 そのような中にあっても、ベネズエラの危機とトランプ政権の相次ぐ悪しき行い―「すべての選択肢がある」とする見えすいた脅しを含めて―はつねにわれわれにとって気がかりだった。

 4月30日、野党政治家で自称ベネズエラ大統領のフアン・グアイドは、クーデターの企てを拡大させながら、マドゥロ大統領の防衛をやめるようベネズエラ軍の指導者に対して呼びかけた。ベネズエラの危機が引き続き破滅的であって緊急に解決を必要とするものであることは明らかだが、米国によって支持された新たなクーデターはより悲惨な結果をもたらすだけだということもまた明らかである。

 だからこそ、われわれはベネズエラに対する制裁(同国における4万人の死につながっている)を解除し、外交を再開し、米国によるいかなる軍事介入の可能性も排除するよう求める呼びかけに加わった。

 幸い、連邦議会議員に圧力をかけるために使える選択肢がわれわれにはある。下院法案1004号(注1)と上下両院合同決議案11号(注2)だ。これらは、トランプ政権が「武力によるベネズエラへの敵対行動に及ぶ」のを阻止するために起草された。現時点で決定的に重要なのは、選挙で選ばれた議員らに、われわれはラテンアメリカで同じ歴史を繰り返させないと思い起こさせることだ。

 連邦議員たちに“今すぐ”伝えてほしい。有権者の一人であるあなたが、私的な利益のために米国によって引き起こされる新たな戦争を止め、ベネズエラに対する破滅的な制裁を終わらせるために議員たちが行動するよう求めているということを。

 連邦議会の代表番号202-224-3121に電話し、地元選出議員にコンタクトしてほしい。

 あなたがこの紛争をどう分析しているにせよ、ベネズエラの人びとには自己決定権があるとわれわれは確信している。いま連帯運動の活動家たちはワシントンにあるベネズエラ大使館を占拠し、グアイド率いる野党が大使館を乗っ取って“正当な”政府であると主張する試みを阻止しようとしている。この行動は、ベネズエラでの米国の権力ゲームに終止符を打つ助けになり得るが、そのための好機は限られてくるだろう。

 事態のさらなる展開や行動を起こすためのチャンスが出てきた場合は、すぐにお知らせする。

 連帯を込めて。

マット・ハワード
アバウト・フェイス(反戦帰還兵の会、旧IVAW=反戦イラク帰還兵の会)共同代表

   *  *  *

(注1)2019年2月、民主党デビッド・シシリン下院議員が提出し、アレクサンドリア・オカシオコルテス、バーバラ・リー両下院議員ら70人以上(共和党議員2人を含む)が共同提案者に加わった「ベネズエラの紛争その他に対する米軍兵力の投入禁止を求める法案」。

(注2)同じく2月、民主党ジェフ・マークリー上院議員が提出し、バーニー・サンダース上院議員らが共同提案者に加わった「ベネズエラにおける米軍の不当な武力行使を禁止する上下両院共同決議案」。
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