2019年05月24日 1576号

【武力なき平和のための2019ZENKOスピーキングツアーを成功させよう 東アジアの平和のための日韓連帯ツアーinコリア 励まし合う連帯の深まり実感】

 緊張が高まる東アジア情勢。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)と韓国の代案文化連帯のメンバー35人が5月3〜6日、韓国の反基地・反原発の闘いの現場を訪問。日韓市民の交流を深めた。参加者に報告を寄せてもらった。

 「2019東アジアの平和のためのZENKO日韓連帯ツアーinコリア」の参加団は5月4日、韓国星州(ソンジュ)ソソンリを訪れた。大統領が文在寅(ムンジェイン)に代わっても米軍のサード(高高度防衛ミサイル)配備は撤回されず、ソソンリ住民の平和な日常が脅かされ続けている。

 この日のろうそく集会は、「父母の日(5月8日)」にちなんだイベント。歌あり、踊りあり、エネルギッシュで楽しい雰囲気だった。悲壮感は感じられない。しかし、厳しい状況が続く中でハルモニ(おばあさん)たちがうつ病を抱え、心を痛めていることを知った。村の若い人たちはハルモニが笑顔になるように集会の内容を創意工夫していた。カン・ヒョヌクさん(円仏教星州聖地守護非常対策委員会教務)は「楽しくないと闘争はできない」と語る。その言葉は沖縄の辺野古の闘いと重なる。

 ZENKO参加団から、「ドキュメンタリー映画『ソソンリ』に字幕を付け全国30か所以上で上映している」と紹介。会場から、「おー」と驚きの声が上がる。「月桃の花」歌舞団は琉球賛歌に乗せてエイサーを披露。会場全体を盛り上げることができた。

 翌5日は、サード配備の現場を見るため達摩山に登る。頂上までは約1時間半。整備された登山道はない。地元の人しか通らない道で、かなり険しい。道中、白いペンキが目につく。韓国国防部が付けた目印だった。頂上からはサード配備現場が良く見えた。発射台3台。まさに戦争の最前線だ。Xバンドレーダーは山頂からは見通せないゴルフ場の端に置かれていた。レーダーの方向を隠すためだろうか。参加者はサードに向かい「ともに平和」と叫んだ。

 現在の争点は環境影響評価と敷地工事の阻止、この2点。環境影響評価は今年2月に米軍がサード基地の事業計画書を提出したことで、一般環境影響評価の手続きが進むことになる。しかし、サード配備を前提とした一般環境影響評価ではなく、外交的・戦略的な環境影響評価を行うよう政府に求める訴訟が準備されている。

 また敷地工事は、3〜4月に予定されていた第2次工事が6月に延期された。文在寅政権はサード配備を進めない理由として「国際情勢の緊迫」をあげているという。平和であればサードが配備され、危機が高まると配備されないとは皮肉なことだ。つまり「平和のために」サードが配備されるわけではないことが証明された。

 今回のツアーで日韓連帯の深まりを感じた。昨年の連帯ツアー以降、ZENKO集会や団結まつりなどに韓国からゲストを迎えた。また1月の日韓ユースin沖縄の経験も大きな財産だ。これからも平和のための連帯を一層深め、基地建設を阻止していきたい。

(ZENKO参加団・田中拓真)

東アジアに平和を!武力なき平和のための2019ZENKOスピーキングツアー

◇韓国・済州島で軍事基地撤去の闘い ノ・ミンギュさん
◇沖縄・辺野古、高江で新基地建設阻止の闘い 奥間政則さん

◆6月1日(土)札幌集会 17:30〜かでる2.7
◆6月2日(日)東京集会 14:00〜在日本韓国YMCAアジア青少年センター
◆6月4日(火)那覇集会 18:30〜沖縄船員会館
◆6月6日(木)広島集会 18:30〜広島市まちづくり市民交流プラザ
◆6月8日(土)京都集会 18:30〜ハートピア京都
◆6月9日(日)大阪集会 14:00〜大阪市立住まい情報センター

主催 ZENKO Email zenkoweb@gmail.com

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