2019年06月14日 1579号

【みるよむ(520) 2019年5月18、25日、6月1日配信 イラク平和テレビ局in Japan/ZENKO日韓連帯ツアーin Korea/市民の連帯を進める確信に】

 5月18日配信から3回にわたりZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)日韓連帯ツアーin Koreaの現地取材をお届けしている。合わせて紹介したい。

 5月18日配信の「THAAD(サード)に反対する村・韓国ソソンリ」では、参加団が乗り込んだリムジンバスのテレビ画面を映し出す。テレビは、首都ソウルの南、ピョンテク基地で4月に行われた米軍のTHAAD(高高度迎撃ミサイル)訓練など、新たな配備の動きを伝えていた。米朝・南北首脳会談など朝鮮半島の非核化への動きにもかかわらず、THAAD配備の策動は続いている。参加団は達摩(タルマ)山頂上からソソンリのゴルフ場に配備されたTHAADを見下ろす。東アジアの核対立の最前線を示す不気味な姿だ。

 5月25日配信の「新古里(コリ)・古里原発に立ち向かう韓国市民」では、韓国で最初に原発が建設され、今や世界一の原発密集地となった新古里・古里原発の地域を訪れる。そこは人口300万人を超える釜山(プサン)から30`しか離れていない。原子炉は港町のすぐ目の前にあり、原発に面した海では生活のために海女(あま)が潜っている。

 6月1日配信の「子どもたちに原発のない未来を―韓国・月城(ウォルソン)原発反対運動」でも、原発の周辺の情景が映し出される。原発から600bしか離れていない海岸は、何とキャンプ場。泊りがけの親子連れが多数来ており、釣りをする人たちも多い。その原発のすぐ横は韓国軍の海兵隊基地だ。軍隊が原発を守っているのだ。

 しかし、韓国の市民は厳しい現実に立ち向かい状況を変えてきている。ソソンリでは70代、80代のハルモニ(おばあさん)たちが闘い続けている。地元のTHAAD反対団体がろうそく集会を「父母の日」の取り組みとして開き、ハルモニたちを支える。古里では市民の闘いが古里第1原発を廃炉に追い込み、原発新設に反対する訴訟を起こしている。月城原発も1号機を廃炉にした。現地の活動家は「残り3つの原子炉を数年で廃炉にすることが私の目標」と語る。

 参加団もソソンリで映画『ソソンリ』の全国上映運動を報告。地元住民は「ZENKOは選挙を通じて直接、政治を変えようとしていることを私たちは知っている。参院選のためにぜひこの横断幕を使ってほしい」と、参院選勝利を目指す横断幕が贈呈された。

 辺野古新基地もソソンリのTHAAD配備も日韓の原発も、グローバル資本の戦争と利潤追求策が生み出した。今こそ日韓市民の連帯を進めなければならないことが改めて確信できる。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)





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