2019年06月28日 1581号

【「風」でなく政策で勝利した区議選/正義を取り戻す議員活動に全力/東京・足立区議 土屋のりこ】

「ハート」ノッカーズ?!

 今年の全交(平和と民主主義をめざす全国交歓会)東京大会には、アメリカで大躍進を果たすDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)から運動を担う方が参加される。DSAは「ドアノッカーズ」=全戸訪問活動を展開し、新自由主義の支配に苦しむ民衆の支持を大きく組織し、オカシオコルテスさんの下院議員当選を実現した。

 日本の選挙では戸別訪問が禁止されており、選挙期間中は「ドアノッカーズ」になることはできない。けれど、全交運動は街頭活動を大切にする。足立区の選挙においても「街頭で票を読もう」と、選挙カーチームはビラを受け取ってくれた人々や道行く人を見つけると駆け寄り、語りかける。「議員報酬削減の実践は土屋だけ。1票入れてもらえませんか」と、支持を広げた。「ドア」ノッカーズならぬ「ハート」ノッカーズ。出会うすべての人の心に働きかけ、安倍政治から暮らしを守る政策を語り、3356票を丁寧に積み上げることができた。

 前回より票数は減ったかもしれないけれど、前回の風の吹いた選挙はラッキーだった。だが、今回は4年間の議員活動と「平和と民主主義をともにつくる会・東京」の政策への支持を固く得ての勝利だ。大きな勝利であり、言葉通り、選挙戦をともに闘った全員の勝利だ。

 事前の議員活動、全戸ニュース配布、全国からの電話かけ応援など、今回は本当に多くの人々と共に、心をあわせ闘いきれたことを嬉しく思う。

初会派結成・2期目始動

 今期は、初めて他の無所属の議員の方と会派を組むこととなった。前期、議会改革へ共に尽力し、選挙戦においても合同演説会を行うなどしてきた長谷川たかこ議員との2人会派だ。

 会派になると、議会の中での影響力が格段に高まる。幹事長会という、議会運営の大半を決定する場に参加できるようになる。運営は全会派一致の原則があり、私たちが「反対」をすると、おかしな意見書の提出など阻止することができる。また、大きいのは、区長へ予算要望を出せることだ。パフォーマンスではなく、直接予算を要望し、区からも予算案編成後に答弁を得ることができるのだ。議員は政策実現が仕事であり、区民の方から託された思いや要望を、どれだけ実現させられるかが腕の見せどころ。選挙で託された区民の「声」実現を進めるためにも、予算要望の場は重要な闘いの場だ。

 ほか、一般質問も無会派だと年に1度しかできなかったが、会派となると毎議会で代表質問を行える。質問を通して政策実現をはかるので、議会で発言権が拡大することはとても大きい。加えて、前期で「文書質問制度」を足立区議会においても実現させることができた。文書質問をあわせると年に3回、政策提言のチャンスができる。

普遍的福祉の拡大を

 今回の選挙で痛感したのは、足立区内においても格差の拡大が深刻だということだ。

 「せっかく福祉を卒業できたのに、時給制で10連休や休みが多い月は暮らしていけない」という切実な声をはじめ、年金だけでは暮らせない、福祉のことをやってほしいなど多くの困り事の声が寄せられる一方で、「給料は1000万円超もらっている。議員は少なくて大変だね」という、びっくりするような声も耳にした。地方間格差もひどいが、区内における格差の広がりも悪化している。

 今の区政が、格差を拡大する逆進的な政策にばかり力を入れてきたことが区内格差を拡大させている根源だ。「税金に再配分機能があるとは思わない」と言い切った現区政は大間違いだ。

 貧困や格差拡大は社会的不正義の表れだ。低所得層にこそ恩恵がおよぶ政治へと、正義を取り戻さなければならない。「暮らしに痛みばかり押しつける安倍政治には消えてもらいたい」―付託された期待に応えるべく、新たな4年間を全力で駆け抜けたいと、決意を新たにしている。





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