2019年07月05日 1582号
(実発行日 6月28日)

【1582号主張 国会閉会、7・4参院選公示へ 変革の展望掲げ安倍倒す】

改ざん・隠ぺいの国会閉会

 安倍暴走内閣への問責決議案、不信任決議案は否決され、6月26日通常国会は閉会した。焦点は7月4日公示、21日投開票の参院選となった。

 今国会で内閣提出の法案数は57本と戦後2番目に少なく、安倍政権は追及や与野党対決を避けて審議を乗り切り、選挙へとの思惑だった。

 しかし、改ざん、隠ぺい、市民無視の姿を覆い隠すことはできなかった。厚労省の「毎月勤労統計調査」を皮切りに政府の基幹統計不正が次々と発覚。「景気拡大が戦後最長」とアベノミクス成果を吹聴するが、大多数の市民の実感は「景気悪化」だ。閣僚の「失言」辞任が続き、予算委員会開催要求にも内閣支持率低下を恐れて3月以降は異例の未開催。そして「老後2000万円」問題が紛糾すると、麻生金融担当相は報告書の受け取りを拒否。年金財政検証の公表も参院選後に先送りにするなど散々逃げ回り、衆参同日選も回避した。

 外交も行き詰まっている。イラン訪問で「米国との和平仲介役」を演じようとしたが失敗し、事態は米軍の軍事攻撃寸前にまで至った。日ロ交渉でもプーチン大統領に突き放され、「条件を付けず」と方向転換した日朝首脳会談は実現の気配さえない。米国から、墜落・欠陥のF35、配備候補地から猛反発のイージスアショアなど高額兵器を爆買いすることにはワイドショーでも批判が出るほどだ。

市民の声を束ねよう

 6月19日、国会議員会館前行動では3500人の市民が年金問題などへの怒りの声を上げた。全国で集めた「安倍9条改憲NO!3000万人署名」119万筆余りが追加提出され、改憲阻止の意思が改めて示された。

 23日沖縄戦「慰霊の日」の追悼式では、辺野古基地断念を求める玉城知事に何度も拍手が送られる一方、首相あいさつには参列者から「うそつき」「帰れ」の罵声が飛ぶ。「辺野古は進める」と民意無視で工事を強行する安倍への県民の強い反発が噴出した。

 河北新報社の参院選シミュレーションは東北6選挙区中5選挙区で野党優勢となることを伝えた。原発やTPPなど市民の命、生活にかかわる政策に反対する声は根強い。

 世論調査で改憲、基地、原発、消費増税などの政策は支持を得ていない。安倍の基盤は強くはなく、市民の怒りを束ね形にすれば追い込める。

展望共にする2019ZENKOへ

 2019ZENKOin東京(7/27〜7/28)に、全米最大の社会主義団体であるDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)からビル・イェィツさんが参加する。DSAは16年のトランプ当選以降、約5万人が加入。すべての人への公的医療保険、大学無償化など富める少数者ではなく多数者のための根本的変革を訴え、地域で一軒一軒戸別訪問する担い手(ドアノッカーズ)を増やし、ミニ集会やチラシ配り、電話かけなど草の根の活動で支持を伸ばした。

 日本でも地域に深く入り、未来を語り、すべての人に働きかけ、共闘を強化することで、参院選勝利は可能だ。改憲派3分の2を阻み、社会変革の展望をはっきりと掲げて安倍政権を打倒しよう。参院選の闘いと一体で、2019ZENKOin東京を世界の市民が連帯する場として大きく成功させよう。

   (6月26日)
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