2019年07月26日 1585号

【みる…よむ…サナテレビ(525)2019年7月13日配信 イラク平和テレビ局in Japan/イラクのメーデー2019/―権利要求を掲げ闘う労働者―】

 2019年5月1日、イラクでもメーデーの集会やデモが広く取り組まれた。サナテレビは参加した人びとに、イラクの労働者の現状と権利獲得の要求についてインタビューを行った。

 男性も女性も若者も年配の人も、多くの人がメーデー集会とデモに参加している。横断幕のスローガンには「労働者階級の国際連帯の日メーデー万歳」とある。

 メディア関係者は、イラクのメーデーの歴史を説明する。労働者は2003年以降の米軍・「有志連合軍」による軍事侵略と占領、ISによる暴力支配などで大変な被害を受けてきた。そんな中で労働者の闘いによって5月1日を公休日にさせることができた。

 しかし、労働者は厳しい生活を強いられている。アブドルマハディ政権は、大部分の公営企業の操業を停止。そのために失業者が続出している。そんな労働者の権利を守るのは労働組合だ。「結社の自由法の制定に前進しよう」と書かれた横断幕が映し出される。まさに労働組合活動の自由を要求し闘っているのだ。

 ある組合活動家は「イラクには石油や多くの富があるのに、失業者がたくさんいます」と憤る。「学校を卒業しても失業している若者が多いし、工場は操業を一時停止しています。このメーデーに参加している労働者は1日5千ディナール(約450円)で働いているのです」。時給にしたらなんと60円程度にすぎない。まるで奴隷労働ではないか。

 こうした状態だからこそ、不満を言うだけでは終わらない。組合活動家は「2、3日前に鉄道労働者のデモがいくつもありました」と語る。今、イラクの労働者は、組合の結成に、デモやストライキに、医療や社会福祉の要求に立ち上がっている。最後に出てくる横断幕のように「民衆の連帯万歳」と叫びながら。

 イラクではアブドルマハディ政権とグローバル資本が新自由主義政策を進め、公営企業を閉鎖し、 失業者を増加させている。しかし労働者は権利獲得のために組合を組織化している。2019ZENKOin東京(7/26〜7/28)にはこの闘いの先頭に立つイラク労働者共産党のサミール・アディル書記長が参加する。ZENKOで交流し、イラク労働者の闘いに連帯したい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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