2019年08月02日 1586号

【「2倍家賃」請求を撤回せよ/避難者切り捨てと闘う/ネット署名1万6千を突破】

 原発避難者への懲罰的な「2倍家賃」請求を止めてください―インターネット署名の賛同者が10日間で1万6千人を超えた。

 福島県は7月8日付で、東京・埼玉・神奈川・茨城・京都の5都府県の国家公務員住宅に住み続ける区域外避難者63世帯に3月までの使用料の倍額にあたる損害賠償金を請求し、まず4月分として7月26日までに納めるよう納付書を送りつけた。これに対する抗議の声だ。

 県は、これまで避難者と1年ごとに交わしてきた使用契約を3月で一方的に終了し、4月以降契約のない状態で住み続けるのは「不法占拠」にあたるとする。しかし、2倍相当損害金の根拠となる1年前の契約は、内容説明はなく、先に意思確認をした上で年度を越えてから使用料を決め書類を送りサインだけ要求、一部の条文はサイン後に変更する、といった手続きに瑕疵(かし)のある無効なものだった。

 住み続ける避難者の多くは、公営住宅に応募しても落選が続いている、公営住宅の応募資格すらなく高い家賃の民間住宅に引っ越せない、精神障がいをきたして定職に就けない、など困難な事由をかかえる。「せめて住宅が確保できるまでいさせてほしい」というささやかな要求さえ無視し、さらに追いつめる理不尽な「2倍家賃」請求を強行した。

 避難者は継続入居を求めて「行政財産一時使用許可申請書」を家主である国や使用許可をとっている福島県に提出してきた。しかし今日まで、”許可”とも”不許可”とも判断が示されていない。「これでは、誰を相手にお願いしたらいいのか申請権行使そのものがないがしろにされている」(避難者の一人)

 ひだんれん(原発事故被害者団体連絡会)と「避難の権利」を求める全国避難者の会は、2倍請求撤回を被害者救済の当面の重要課題として闘う。続く避難指示解除区域の避難者切り捨てを許さず、原発事故に対応する住宅政策の確立につながる闘いとなる。7月12日の福島県抗議行動に続き、当事者と連帯して今後は財務省・復興庁の責任追及にも取り組む。

 ネット署名は今も受付中。<キャンペーン・原発避難者への懲罰的な>で検索を。
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