2019年08月30日 1589号

【教育は商品じゃない!人権だ! 子どもの権利を尊重し 多様な子がともに育つことを ZENKO分科会】

 教職員なかまユニオンは、不登校の子どもたちの居場所づくりに取り組むフリースペースひまわり(大阪)、同たんぽぽ(横浜)のみなさんとともに実行委員会をつくり、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)で教育関係分科会を開催している。7月28日、関東・関西計25人が討議・交流し、教育支配・教育民営化の課題と運動の方向性を共有した。

 今回、4つの報告を受けた。

 フリースペースからは、たんぽぽでの子どもたちの活動が映像で紹介され、不登校の子どもの学習にかかわる動きが報告された。親が学習計画をつくらされ行政のチェックを受ける「個別学習計画」導入が浮上し、教育産業の参入、教育市場化が大きく進められようとしていることなどだ。

 大阪の状況は私が報告した。不登校の数まで数値目標とされ、学校に「戻す」ことだけをめざす「丁寧なかかわり」が不登校生徒と家族をさらに追い込んでいる。不登校を生み出す管理と競争の息苦しい学校を変える必要がある。それを、ともに求めていくつながりをめざしたい。また、皇国史観に基づいて新天皇即位を祝う児童集会を行った大阪市立泉尾北小学校への抗議の動きも報告した。

 教職員なかまユニオンは、大阪維新市政・府政の下、パワハラが蔓延する学校職場での労働相談活動を報告。国家戦略特区を利用した公設民営中高一貫校、大阪市立水都国際中・高校の教職員のほとんどが非正規であることを暴き、教育民営化を阻止したい、と訴えた。データ改ざんまで行われた不正評価の是正を要求する東淀川工業高校組合員も発言した。

 東京からは、「君が代」不起立処分と闘う被処分者が2003年「10・23都教委通達」以降の「君が代」不起立大量処分撤回裁判の現状を報告。オリンピック教育、八王子市での小学生の天皇出迎え動員、条件付き採用者の1年後不採用の広がり、再雇用更新拒否など攻撃が強まる中、高校生への継続的なビラまき活動も取り組まれている。養護教諭の立場から生徒と職員の実態について補足も受けた。

国際基準を根拠に

 討議では、教員がパソコンに使われている≠謔、な学校現場、子どもたちも宿題・部活・塾と追いまくられている状況について、「子どもたちも教職員もゆったり過ごす方法はないものか?」という発言をきっかけに意見交流が行われた。子どもの権利条約や「ILO(国際労働機関)・ユネスコ教員の地位に関する勧告」など国際基準を根拠に、「子どもの声を聞く、子どもの人権を尊重する、自分の権利を主張する動きをつくっていこう」と確認した。

 ZENKO終了後、私たちはさっそく不当評価是正要求団交や水都国際中・高校問題の市民協議に取り組んでいる。市民との話し合いどころか要請書受け取りさえ拒否する泉尾北小学校皇国史観校長に対し、居直りを許さない校区全戸ポスティングを開始した。

(教職員なかまユニオン・松田幹雄)

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