2019年09月13日 1591号

【原発事故避難者に心寄せ/自らの問題として保養の家開設/9月10日京都訴訟控訴審第4回期日へ】

 原発事故は許せないという思いから、京都で避難者の「こども健康相談」や原発賠償訴訟に関わっています。避難者の支援ではありますが、いつ我が身の問題となるか分からないという点では自分のための支援でもあります。

やましろ保養の家

 避難生活をやめ福島等に帰らざるを得なかった方、また、避難したくてもできなかった方がおられます。チェルノブイリ原発事故後の取り組みでは、一定期間、放射能の影響を受けない地域で生活し、クリーンな空気を吸い、汚染されていない食品を摂取することが、放射能による健康への影響を低減させ健康回復につながると実証されています。

 この夏、「京都やましろ保養の家」を開設し、8月に一家族を受け入れることができました。続いて、9月上旬から2週間、福島県いわき市在住の方を受け入れます。

 実家(空き家)の畳、襖の張替え、そのための大きなタンス移動等の労力を想像し、初めは少し及び腰でしたが、皆さまのご支援(カンパ等)やスタッフの熱意のおかげで開設できました。

 8月25日、低線量被曝(少ない放射線量による健康被害)に理解のあるドクターのご協力の下、避難者こども健康相談会を京都で開催できました。避難者も年々減少し、子どもさんも大きくなっておられますが、原発事故及び避難に伴う健康課題はまだまだあります。今後、保養の家に来られたお子さんの健康相談を実現できればいいなと思っています。

控訴審に支援、傍聴を

 9月10日に原発賠償請求の京都訴訟控訴審第4回期日があります。

 ▽法定被ばく限度(年間1ミリシーベルト)を守らせ、それを超える放射能汚染地域の住民について「避難の権利」を認めさせること▽原発事故を起こした東京電力と国の加害責任を明らかにすること▽原発事故によって元の生活を奪われたことに伴う損害賠償―を求め、第1審一部勝訴判決(2018年3月15日)を踏まえ、現在56世帯172人が控訴しています。

 原告の方は、広島原水爆禁止大会に参加された際、現地で「被ばく者と認識して闘いなさい」と言われ、最初は「私たちは被ばく者なの?」と衝撃を受けながらも、今、力強く闘っておられます。

 ご支援、傍聴よろしくお願いします。

(避難者こども健康相談会きょうと・神田高宏)

◆控訴審第4回期日
 9月10日(火)大阪高裁 14時30分開廷(13時30分に傍聴抽選券配布)

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS