2019年09月13日 1591号

【戦争させない 6者協議を/権力に対してびびるな/「韓国は『敵』なのか」緊急集会に400人】

 緊急集会「韓国は『敵』なのか―輸出規制を撤回し、対話での解決を」が8月31日、都内で開かれた。会場に入りきれない400人が集った。

 強制動員被害者への慰謝料支払いを命じた昨年10月の韓国大法院以降、安倍政権は韓国を敵視し、日韓関係を急速に悪化させている。

 『世界』元編集長の岡本厚さんが開会あいさつ。「安倍首相の『文在寅(ムンジェイン)政権相手にせず』発言は『国民政府を相手にせず』と泥沼の中国侵略戦争に突入した近衛声明と重なる」と警鐘を鳴らす。弁護士の内田雅敏さんは「日韓請求権協定で放棄したのは外交保護権であり、個人請求権ではない。大法院判決は漏れていた問題を補完するもの」と指摘した。

 「2011年からアラブの春、オキュパイ運動、99%の立ち上がり―世界は新しい非暴力の市民革命の時代が始まった。侵略戦争・植民地支配の清算、国連憲章の敵国条項削除が進まず、第2次世界大戦の後始末が唯一できていないのが日本。日韓が一緒に考える場を作るしかない」と語るのは東京大学名誉教授の板垣雄三さん。

 多彩な弁士が登壇する。日本キリスト教協議会総幹事の金性済(キムソンジェ)さんは「100年前の大正デモクラシーの時、石橋湛山(たんざん)の植民地放棄論を支持する運動はなく3・1独立運動を暴動とし、関東大震災の朝鮮人虐殺に至った。傷つけられた人びとに寄り添う感性、向き合う良心と勇気を」と訴える。「戦争は近隣の領土・辺境問題から起こる。東アジアで戦争をさせない6者協議を」と呼びかけたのは青山学院大学教授の羽場久美子さん。一橋大学准教授の権容ソク(コンヨンソク)さんの「キーワードは国民主権。合言葉は“権力にびびるな”」との力強い発言に会場は一体となった。

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